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海外サッカー

最も偉大な選手と平凡な集団の好融合!? 英紙が決勝進出のアルゼンチンの強さを検証!「メッシは‟バルダーノ”を見つけた」

THE DIGEST編集部

2022.12.15

「準々決勝オランダ戦のPK戦で好守を見せたGKエミリアーノ・マルティネスの他、クロアチア相手に決定力を発揮して破壊的なインパクトを放ったアルバレス、大会の中でブレイクしたエンソ・フェルナンデスら、他のスター選手たち……」

 各選手たちの貢献ぶりに言及した同メディアだが、特にアルバレスについては、「代表通算3得点でW杯に臨んだ彼が、準決勝で2ゴールを奪った(今大会は通算4得点)。おそらくメッシは、キャリアの晩年に入って初めて、ディエゴ・マラドーナにとってのホルヘ・バルダーノのような存在を見つけたことだろう」と、アルゼンチン・サッカー史のレジェンドの名を引き合いに出し、その偉大さを強調した。
 
 また、アルゼンチンが過去のチームに比べ、欧州のビッグクラブに所属する選手があまり多くなく、一見すると平凡な集団にも見えるにもかかわらず、直近の43試合で敗戦はわずか1つで、あと1試合でビッグタイトルを獲得しようとしていることにも、同メディアは感銘を受けている。

「過去には、ゴンサロ・イグアイン、セルヒオ・アグエロ、カルロス・テベスなど、より輝かしいタレントを備えており、彼らは所属クラブで計1000以上のゴールを決めたが、歴代のアルゼンチンの監督は、選手の正しい組み合わせに苦しんだ。今大会でも、ラウタロ・マルティネスとパウロ・ディバラは、アルバレスらより優れた実績を持っているが、前者は逸機の連続でポジションを失い、後者はクロアチア戦の74 分まで使用されなかった」

「2010年南アフリカ大会で、MFハビエル・マスチェラーノが孤立していたのとは対照的に、今回、リオネル・スカローニ監督は、守備能力を備えた4人のMFを擁立し、クロアチア戦ではルカ・モドリッチをカルテットで取り囲んで抑え込んだ。まるで1980 年代のセリエ A のチームのように、責任が厳密に分担されていた」

 このようなチーム構成は、2度目の優勝を飾った1986メキシコ大会と似ているが、同メディアは「1986年、カルロス・ビラルド監督は『3-5-マラドーナ-1』のフォーメーションを敷き、スカローニ監督は今回、『4-4-1-メッシ』(守備時には5バックに移行)を選択。これは、1人の選手を活かすためのものであり、民主主義的なものではない」としながらも、結果的にいずれも、スター選手とチーム全体の両方を活かすものになったと評した。

 1990年代半ばから2000年代初めには、現在や1986年よりも多くの優秀なスター選手を擁したものの、そこにマラドーナやメッシが存在しなかったことが敗因だと指摘する同メディアは、決勝に向けてメッシが力を発揮するのはもちろん、そこに「他の10人」の助けが不可欠だと主張する。

 1986年は、準々決勝イングランド戦、準決勝ベルギー戦でマラドーナがチームの全得点を生み出す活躍を見せたが、決勝の西ドイツ(当時)戦では、彼を囮にする形で、DFホセ・ルイス・ブラウン、FWバルダーノ、MFホルヘ・ブルチャガがゴールを生み出した。メッシは12月18日、攻守で貢献しているチームメイトをいかに活かし、また彼らによって活かされるのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部
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