三笘個人の足下の技術は卓越しているのは言わずもがなだ。すでに多くのサイドバックたちが、彼の緩急をつけたトリッキーなドリブルの餌食になってきている。リバプールのトレント・アレクサンダー=アーノルドやニューカッスルのキーラン・トリッピアーといった現役のイングランド代表、日本代表の同僚である冨安健洋もこれに含まれる。
同様に肝要なのが、背番号22の持つ冷静な頭脳だ。驚くべきプレースピードの中でも、彼は常に取捨選択に秀でている。過去の囲み取材で筆者がプレー中に脳内がどのように作動しているのかを、聞き出そうと試みてきた。
興味深かったのは、1月14日(現地)に行なわれたプレミアリーグ第20節のリバプール戦だ。この試合で、三笘は対峙したアレクサンダー=アーノルドを持ち前のスピードで何度も置き去りにした。
試合後、当人に「あれほどのペースでプレーする際、どのような意識が頭に張り巡らされているのか」と聞いてみた。すると、彼はこう明かした。
「フォワードとの位置関係を見て。裏に走るか、足元で受けて仕掛けるか、全体の流れも見ながら仕掛けに行くか、パスでリズムを作るかってところは、うまく判断しながら行ってますし、もう体力的に行けるとこはもう全部どんどん行こうって思ってるので。そういう感じですかね」
「(記者:連携で崩す場面も増えているが?)全部行って、いけたら良い話なんすけど、そんなにうまくはいかないので(笑)。そこをうまく使いながらっていうところと。フィジカルレベルを、もっともっと上げていければ、逆にもっと仕掛けて、完結できるようにはなりたいですけど。まだそういう状況でもないんで、うまく使いながら、『勝負どころ』っていうのは考えてますね」
また、この試合では左サイドからカットインしてシュートする場面も見られたのだが、これは三笘にとっては「目指す形」のひとつだという。そして、25歳の日本代表MFは自身のペナルティーエリア付近での振る舞いについても、次のようにも分析している。
「そこが足りないところ。その精度を高めるのと、逆に“見えすぎて”、パスだったりっていうところ……。シュートと言われて、逆にシュートを打っちゃうみたいなところもあるので。あの自分の判断でうまく自分の形を作っていければいいと思いますけど、まだそういう形がなかなかできてないので。そこは課題かなと思います」
スピードはプレミアリーグの醍醐味の一つでもあり、そのレベルは世界屈指だ。そのなかで流れや周囲の動きが“見えすぎて”しまうと彼は言うのである。
さらに1月29日に行なわれた同じくリバプールとのFAカップ4回戦で決めた決勝点。日本国内でも大きく取り上げられたワンシーンも、試合後の談話からいかに平静を保たれていたかが分かった。
彼は「キックフェイントを入れたら(ディフェンダーが)飛ぶなという分かっていたので、あとはコントロールだけって感じですかね、集中したのは」と、日本人記者陣を唖然とさせるような言葉を返したのである。
そして、ワンタッチごとに意図があったのかとの質問に対しては、「狭いんで、セカンド(タッチ)で打てれば良かったんですけど、相手が来ていたのが分かったんで、もうキックフェイントに変えて。その後はもう時間がないんで、咄嗟に蹴った感じです」と振り返っている。
すべては計算済み。日本代表ウインガーの頭の中では、驚異の速度でプレーシーンが駆け巡っているのに違いない。
取材・文●松澤浩三
Text by Kozo Matsuzawa
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興味深かったのは、1月14日(現地)に行なわれたプレミアリーグ第20節のリバプール戦だ。この試合で、三笘は対峙したアレクサンダー=アーノルドを持ち前のスピードで何度も置き去りにした。
試合後、当人に「あれほどのペースでプレーする際、どのような意識が頭に張り巡らされているのか」と聞いてみた。すると、彼はこう明かした。
「フォワードとの位置関係を見て。裏に走るか、足元で受けて仕掛けるか、全体の流れも見ながら仕掛けに行くか、パスでリズムを作るかってところは、うまく判断しながら行ってますし、もう体力的に行けるとこはもう全部どんどん行こうって思ってるので。そういう感じですかね」
「(記者:連携で崩す場面も増えているが?)全部行って、いけたら良い話なんすけど、そんなにうまくはいかないので(笑)。そこをうまく使いながらっていうところと。フィジカルレベルを、もっともっと上げていければ、逆にもっと仕掛けて、完結できるようにはなりたいですけど。まだそういう状況でもないんで、うまく使いながら、『勝負どころ』っていうのは考えてますね」
また、この試合では左サイドからカットインしてシュートする場面も見られたのだが、これは三笘にとっては「目指す形」のひとつだという。そして、25歳の日本代表MFは自身のペナルティーエリア付近での振る舞いについても、次のようにも分析している。
「そこが足りないところ。その精度を高めるのと、逆に“見えすぎて”、パスだったりっていうところ……。シュートと言われて、逆にシュートを打っちゃうみたいなところもあるので。あの自分の判断でうまく自分の形を作っていければいいと思いますけど、まだそういう形がなかなかできてないので。そこは課題かなと思います」
スピードはプレミアリーグの醍醐味の一つでもあり、そのレベルは世界屈指だ。そのなかで流れや周囲の動きが“見えすぎて”しまうと彼は言うのである。
さらに1月29日に行なわれた同じくリバプールとのFAカップ4回戦で決めた決勝点。日本国内でも大きく取り上げられたワンシーンも、試合後の談話からいかに平静を保たれていたかが分かった。
彼は「キックフェイントを入れたら(ディフェンダーが)飛ぶなという分かっていたので、あとはコントロールだけって感じですかね、集中したのは」と、日本人記者陣を唖然とさせるような言葉を返したのである。
そして、ワンタッチごとに意図があったのかとの質問に対しては、「狭いんで、セカンド(タッチ)で打てれば良かったんですけど、相手が来ていたのが分かったんで、もうキックフェイントに変えて。その後はもう時間がないんで、咄嗟に蹴った感じです」と振り返っている。
すべては計算済み。日本代表ウインガーの頭の中では、驚異の速度でプレーシーンが駆け巡っているのに違いない。
取材・文●松澤浩三
Text by Kozo Matsuzawa
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