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19歳ベリンガムの高額売却で莫大な移籍金を得たドルトムントの変わらぬ哲学! 今季最終節のトラウマを克服するための後釜獲得はなるか!?

THE DIGEST編集部

2023.06.16

 ドルトムントといえば、有能な若い選手を国内外から獲得し、主力として数シーズン起用して成長させ、莫大な金額で売却するクラブとしてのイメージが完全に定着。前述の3選手以外では、昨夏にマンチェスター・シティに6000万ユーロ(約90億円)で移籍し、いきなりチーム、個人の両方でタイトルを獲り尽くしたアーリング・ハーランドもそのひとりで、その移籍金額は安すぎるとの指摘もあったが、それでも獲得時の支出と比較すると、4000万ユーロ(約60億円)の利益をドルトムントにもたらしたものである。

 クラブの高額移籍(売却)のランキングで、このハーランドを上回る6500万ユーロ(約98億円)で4位につけているのが、2019年にエデン・アザール(→マドリー)の後釜候補としてチェルシーに加入したクリスティアン・プリシッチで、彼の場合はユース年代の2015年に母国アメリカのクラブからドルトムントに入団しており、前述の移籍金はクラブにとって満額が収益となっている。

 同額で2018年にアーセナルへ移籍したピエール=エメリク・オーバメヤンも、2013年にサンテティエンヌからドルトムントへ加入した際の移籍金は1500万ユーロ(約23億円)ということで、その差額によるプラスは非常に大きい。なお、英国のサッカー専門サイト『Football Transfers』による同ランキングのトップ10は以下の通りである。
 
◇ドルトムントの高額移籍(売却)ランキング

1位:ウスマンヌ・デンベレ(→2017年バルセロナ)/1億4000万ユーロ(約210億円)
2位:ジュード・ベリンガム(→2023年マドリー)/1億300万ユーロ(約154億5000万円)
3位:ジェイドン・サンチョ(→2021年マンU)/8500万ユーロ(約128億円)
4位:クリスティアン・プリシッチ(→2019年チェルシー)/6500万ユーロ(約98億円)
4位:ピエール=エメリク・オーバメヤン(→2018年アーセナル)/6500万ユーロ(約98億円)
6位:アーリング・ハーランド(→2022年マンC)/6000万ユーロ
7位:マリオ・ゲッツェ(→2013年バイエルン)/3700万ユーロ(約56億円)
8位:マッツ・フンメルス(→2016年バイエルン)/3500万ユーロ(約53億円)
9位:エンリク・ムヒタリアン(→2016年マンU)/3430万ユーロ(約51億円)
10位:アブドゥ・ディアッロ(→2019年パリSG)/3200万ユーロ(約48億円)

 見事なスカウティングと交渉術、そして育成術を誇り、多くの収益を上げることに成功しているドルトムントについて、以前に英国の日刊紙『Mirror』は「その経営モデルは、2005年にクラブが破産に陥った後、必要に迫られて誕生。若い才能の発掘と育成に重点を置く新たなアプローチは、2008年に監督に就任したユルゲン・クロップが実を結ばせた」と解説し、以下のように続けている。

「この哲学は、サー・アレックス・ファーガソンがデイビッド・ベッカム、ニッキー・バット、ポール・スコールズ、ガリーとフィルのネビル兄弟という無名の若手に信頼を寄せたマンUの成功例にインスピレーションを得ているが、ドルトムントが異なるのは、若い選手の才能と野心が一定以上に高まった場合、莫大な利益を得るために売り飛ばすことだ。彼らの生産ラインは持続可能で効果的なものであり、ワールドクラスの選手を量産し続ける間は、誰もがより新鮮な若い才能に取って代わられることになる」
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