こうして、財政面の強さを手にしたクラブだが、肝心のピッチ上での成績では、2012年にクロップ体制下でリーガ連覇を果たして以降はライバルのバイエルンに同タイトルを独占されている。今季は、最終戦で勝てば自力で優勝が決まるところをマインツに２点を先取されて、後半アディショナルタイムに何とか同点に追いつくも、バイエルンがケルンから88分にゴールを挙げて勝利したことにより、得失点差によってホームの観客の前でタイトルを逃してしまった。

　このような失意の結末を経て、運命の最終節を怪我によってベンチから見守るしかなかったことを誰よりも悔やんだ殊勲者ベリンガムの移籍を、『Suddeutsche Zeitung』紙は「経済的には幸運だが、競技的には損失」と記述。「将来性を秘めた主力選手の退団は、今やドルトムントのDNAの一部である」と表現した同メディアは、「今季最終節のトラウマを克服するために、（ベリンガムの後釜として）確かな人格、闘争心、力強いプレーを備えた選手を獲得する必要がある」と指摘している。
  　そして同メディアは、ドルトムントがマネジングディレクターのハンス＝ヨアヒム・ヴァツケの言葉として「移籍金収益の約60～65％を再投資する」こと、そして「ベリンガムの退団を部分的に相殺するのに役立つ可能性があるが、守備的MFとしてベリンガムほどの攻撃の資質は持たない」というアヤックスのメキシコ代表MFエドソン・アルバレスに興味を示していることを紹介した。

構成●THE DIGEST編集部

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