FCダラスのアルゼンチン人MFアラン・ベラスコは、「今日、僕は最大の夢のひとつを達成できた。ずっとメッシのプレーを見続けてきて、ついに彼と同じピッチに立つことができた。とても非現実的な経験だった」と語っており、この20歳の選手にとっては、カップ戦から敗退した失望より、母国の英雄とプレーした喜びが上回ったようだ。

　また、FCダラスのニコ・エステベス監督は、「メッシにとってFKとは、他の選手にとってのPKのようなものであることは明らかだ」と脱帽するとともに、「彼のような選手がMLSにいることは、我々の選手をもより成長させてくれるだろう。このレベルの選手と対戦する時、選手はより上手くプレーする必要がある。今日の経験を経て、我々の選手たちがどれだけレベルを上げたか、今後の試合で確認してほしい」と、メッシがMLSの全ての選手に恩恵を与えると強調している。

　その図抜けた能力でもって、発展途上のリーグで“伝道師”的な役割を担っているとも言えるメッシだが、決してサッカー界のトップシーンから消えたわけではない。その証のひとつとして、多くの各国メディアが2023年のバロンドールの最有力候補として、史上最多となる８個目のトロフィーを受け取ると予想しているのだ。
  　英国のサッカー専門サイト『sportskeeda』は、ケビン・デ・ブルイネ、キリアン・エムバペ、ロドリ、アーリング・ハーランドを抑えて、メッシを受賞者候補の筆頭に推し、「彼は2022-23シーズン、堂々たるパフォーマンスでバロンドール受賞に値する強力な証拠を提示。これを無視するのは難しいだろう」と綴り、具体的にその功績を挙げた。

「自身最後のW杯では母国を優勝に導く７つのゴールを決めた他、魅惑的なパフォーマンスを連発し、史上最も偉大なサッカー選手であることを示した。また、パリSGでも国内では非常に良いシーズンを過ごし、フランスの首都での最終シーズンでリーグ・アンのタイトルを獲得。彼自身は全てのコンペティションで41試合に出場し、21ゴールと20アシストを記録した」

　同賞の発表は10月末とまだ先だが（ノミネートのリスト発表は来月）、バルサでの最終年、そしてパリSGでの２シーズンと、苦しみの方が多い時期を過ごした後、アメリカでは頻繁に笑顔を見せるようになり、36歳にして再びキャリアの最盛期を迎えているようにも見えるメッシ。新天地でゴールショーを披露しながら、さらなる勲章を手に入れることができるか、期待を持って見守りたい。

構成●THE DIGEST編集部

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