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海外サッカー

バルサは12人、べティスは19人、アラベスは15人... 開幕目前のラ・リーガ、新加入組の約40%が登録未完了という深刻な状況に

下村正幸

2023.08.11

 各クラブの苦労のほどを窺わせるのが、ベティスのケースだ。フアン・ミランダとロドリの若手2人が昨シーズン、Bチーム登録の選手としてプレーしていたのは、サラリーキャップのスペースを空けるための、いうなれば抜け道だ。しかしともに今年23歳となり、今シーズンから登録を切り替える必要があった。同様の措置は、今夏加入した現在20歳のチャディ・リアドにも講じる方針だ。

 ラ・リーガがここまで厳しく監視するのは、自転車操業がたたって負債が膨れ上がり、破産法を適用するクラブが続出し、給料未払いに苦しむ選手が相次いだ過去があるからだ。その無法状態に歯止めをかけるべく、2013年にラ・リーガの会長に就任したハビエル・テバスがサラリーキャップ制を導入。おかげでラ・リーガは、最も健全なリーグの一つと評価されるまでになった。
 
 ただその代償としてタレントの流出が続く一方で、補強は停滞。バルサはフリートランスファーの選手に目を向けざるを得ず、今夏、ディフェンスラインを重点的に補強したアトレティコは、現在ジョアン・フェリックスの受け入れ先探しに手を焼いている。活況を呈しているのは、今夏ジュード・ベリンガムとアルダ・ギュレルを獲得したマドリーくらいのものだ。

 スペイン紙『AS』の前編集長、アルフレド・レラーニョ氏は、「このままでは“マドリーの一強時代”が到来することにもなりかねない」と危惧している。

文●下村正幸
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