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日本代表

【A代表2020年展望】ベネズエラ、韓国に黒星の森保ジャパン。停滞感を打破するカギとなるのは?

サッカーダイジェスト編集部

2019.12.31

E-1選手権では全3試合で畠中、佐々木らを入れた3パックを採用。オプションとして活用したい。写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

E-1選手権では全3試合で畠中、佐々木らを入れた3パックを採用。オプションとして活用したい。写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

 その背景を踏まえると、戦術のバリエーションの増加、戦い方の幅を広げる人材の確保が喫緊のテーマとなる。そこで、すでに突破に王手をかけている2次予選の残り4試合では、多くのトライを行ないたい。

 まず戦術のバリエーションの増加という点では、メインシステムの4-4 -2に加え、オプションの3 -4 -2 -1の理解度を上げる作業が求められる。前述のE -1選手権では全3試合で指揮官の代名詞と呼べるこの3 -4 -2 -1を採用したが、準備期間が限られていたため、利点をそこまで示せなかった。もっとも第1戦の中国戦の先制点のシーン、左ストッパーの佐々木翔が持ち上がり、CFの上田綺世、シャドーの森島司、鈴木武蔵が連係して崩した場面のように、良い距離間を意識しつつ、このシステムをどういうシチュエーションで使用するのか共通認識を持ちたい。

 3 -4 -2 -1は使い方によって5トップとして攻撃的に、もしくは5バックとして守備的に振る舞うことができる可変式のシステムだ。状況に合わせた“マニュアル”を共有しておけば、対戦相手によってスムーズに使い分けられるはずだ。
 
■3つのポイントから有能な人材を見つけられるか

 一方で、ネックになりそうなのが、森保監督が兼任で率いる五輪代表との関係性だ。来年8月の東京五輪へ向け、若き代表のチーム作りも急ピッチで進めなくてはいけないが、U-23代表は1月にアジア選手権を戦ったあとの強化日程がA代表のスケジュールと重なる部分が多い。森保監督はA代表優先の考えを示しているが、恐らく2次予選の残りの4戦では多くの若手を招集し、両代表の強化を同時に行なうはず。そのなかで有能な人材を見つけられるか。

 新たに求めたいタレントは①“大迫依存症”を緩和できる人材②ジョーカーとして振る舞えるアタッカー③対人能力に秀でた左SBだ。

 ①に関してはチーム発足時からの懸念材料で、指揮官もここまで様々なトライを行なってきた。そもそも森保ジャパンの2トップは縦関係になることが多く、CF大迫勇也、セカンドトップ南野拓実の組み合わせが鉄板だ。確度の高いポストプレーを見せる大迫と機動力に長けた南野のコンビは補完性に優れ、抜群の連係を誇る。ただし、特に大迫の代役が不在で、指揮官はこのエースを欠いたゲームで数人をテスト。可能性を示したのは、圧巻のスピードを誇る永井謙佑と、南野をCFに上げ、後方にフランクフルトで逞しく成長する鎌田大地を置くパターンだった。
 

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