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海外サッカー

「悲惨なシーズンの当然の帰結」 サンプドリアのクラブ史上初となるセリエC降格決定に現地メディアは厳しい見解... 「未来は不透明で疑問に満ちている」

THE DIGEST編集部

2025.05.15

 前述の度重なる監督交代は、チームに混乱をもたらしただけだったと批判。「わずか3試合でアンドレア・ピルロを解任したことは間違いであり、その後任にアンドレア・ソッティルを選んだのも失敗だった。そして2度目の監督解任後に起用されたレオナルド・センプリチもまた期待を裏切った」と振り返る。

 エバーニ&ロンバルドに加え、クラブのレジェンドであるマンチーニも息子アンドレアが新SDに就任した古巣の救済に肩書なしの立場で乗り出すなど、OBたちが最悪の事態を回避しようと力を尽くすも、あえなく失敗。スポーツ紙『Gazzetta dello Sport』は、「悪夢が現実となり、未来は疑問符に包まれている」と、来季以降の立て直しに対しても悲観的、懐疑的な見解を示した。

「サンプにはアジア人投資家によって資金注入が保証されており、それはクラブの存続には重要な要素だ。すでに1億ユーロ(約160億円)以上が投入された。しかし、チーム編成、クラブの構造、コスト面すべてを見直さなければならない。セリエBのトップクラブ並だった総年俸約2000万ユーロ(約32億円)も、テレビ放映権収入とチケット収入の減少に伴い、75%の削減が必要だろう。このリストラは容易ではない。つまり、名門であることを除けば、サンプドリアの未来は今、霧の中にあり、不透明で、疑問に満ちている」
 
 前出の『GENOVA TODAY』も、「率直に言って、このチームにはほとんど救いがない。(中略)今必要なのは再出発。そして、すぐにセリエCの現実に適応し、無名でもカテゴリーに合った選手やスタッフで再建を始めることだ。今季のような連鎖的ミスを繰り返さぬよう、まずはクラブとSDを繋ぐGMの配置が不可欠だ」と指摘している。

 なお同メディアは、ポジティブな要素がほとんどない中で、「エバーニ、ロンバルド、そして絶望的な状況で現場に加わったスタッフ陣は称賛に値する」と綴り、さらに「サポーターも同様だ。災厄のシーズンにもかかわらず、彼らは決して支援をやめなかった。最後の最後までチームを後押しし、サレルニターナ戦では極限の愛を示した。それでも足りなかったが、彼らこそが今のサンプにおける『最大の財産』である。彼らが歌い続ける限り、たとえセリエCでも、このクラブの未来に問題はない」と記事を締めた。

 スクデット獲得後にセリエC降格を味わったクラブとしては、戦後はボローニャ(1963-64シーズン優勝/1982-83、1992-93シーズンに降格)、エラス・ヴェローナ(1984-85/2006-07)、ナポリ(1989-90/2003-04)が悲哀を味わっている。このうち、ボローニャは今季チャンピオンズリーグを戦い、ナポリはインテルとのスクデット争いをリードするなど、今となっては見事な復興を遂げているが、これがサンプにとって励みとなるか……。

構成●THE DIGEST編集部

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