一方、スペイン・マドリードのスポーツ紙『MARCA』の興味の多くは、レアル・マドリー入りが決まっている17歳のフランコ・マスタントゥオーノの出来に向けられたが、浦和では「試合開始から20分を過ぎると自陣から出てきてスペースを見つけ、松尾にもボールが渡り始めた。金髪の日本人選手は見た目も目立ち、しかもヘアバンドをしていてキャラクター性は抜群。そんな彼の突破が浦和に自信を与え、試合の流れが変わっていった」と27歳のFWを高く評価している。

「マルコス・アクーニャのアメフトのタックルのような明確なファウルで得たPKを、松尾は冷静にGKアルマーニを欺いて成功。この浦和の背番号24は、その後もしばらくリーベル守備陣を翻弄し、彼を止めるにはファウルしかなかった。（中略）しかし、その後の浦和にはゴールを決めきる力が足りず、それが最終的に響くこととなった」

　ブラジルの総合サイト『Globo』は、日本チームの守備面について「序盤は意図的に引いて守り、失点した後は守備ラインを高くしてボール保持を狙ったものの、上手くいかなかった。彼らは自陣から離れた位置でのプレーには消極的で、基本的にはポジションを守り、スペースを埋める対応を見せた」と綴った。
  　一方の攻撃面では、前半途中からリーベルがペースを落とすと、「浦和の姿勢は次第に変化し、彼らは前線からのプレスを強め、リーベルの前進を抑えて、ボール保持の時間も増やしていった。ただ、選手たちの献身と規律はあったものの、前線との連係には課題が残り、完全な脅威とはならなかった」

　そして、１点を返した後のプレーを「ここから浦和は勢いづき、試合はヒートアップ。マテウス・サヴィオや渡邊凌磨が存在感を増し、浦和サポーターの応援も最高潮に。スコルジャ監督は後半終盤になってようやく交代策に動き、チアゴ・サンタナ、関根貴大を投入した。しかし、同点が見えてきたその瞬間、彼らは再び守備の甘さを露呈する。CKからメサがヘディングシュート。マークしていたダニーロ・ボザは対応できず、GK西川周作もこの場面では精彩を欠いた」と伝えた。

　最後に、ドイツのスポーツ紙『kicker』は、「アルゼンチンのチームは後半やや苦しんだが、後半開始直後（48分）と浦和が１点差に詰め寄って押し込んできた時間帯に上手く得点を重ね、有利に試合を進めた。浦和は、一時的に試合を支配した時間帯を活かすことはできなかった。決定的だったのは、自陣ペナルティーエリア内での守備力の弱さだ。リーベルの３ゴールはいずれも、ヘディングによるものだったのだ」と指摘している。

構成●THE DIGEST編集部

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