エスパニョール所属のGK、ジョアン・ガルシアのバルセロナ移籍が間近に迫っている。昨シーズン、ラ・リーガでも最高のGKのひとりと評されたにしては格安ながら、バルサが契約解除金の2500万ユーロを支払う決断を下したのは、もちろん1年目からの活躍を期待してのことだ。
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しかし、新加入のジョアン・ガルシアがすぐに正守護神の座を勝ち取れるとは限らない。10年近く絶対守護神として君臨してきたマルク=アンドレ・テア・シュテーゲンの存在だ。彼はベテランである上に、扱いが難しい選手として知られる。レギュラーで活躍している間はいいが、その自己主張が強い性格は、控えに回ると不満分子化する恐れがある。
実際、シーズンの終盤にケガから復帰した際には、ヴォイチェフ・シュチェスニーを登録から外し、自分をチャンピオンズリーグのメンバーに再登録させるよう、代理人を通じてクラブに圧力をかけていたことが明らかになっている。バルサはそのシュチェスニーに契約延長オファーを提示しており、当初はGKを外部から補強する予定はなかった。にもかかわらず動いた背景には、長期的な戦略がある。
スペイン紙『SPORT』のジョルディ・カルネ記者は、このジョアン・ガルシアの獲得を「衝動的ではなく、数年先を見据えた賢明な判断」と高く評価する。「バルサはGKの世代交代を推進する絶好の機会を逃さず、戦略的な補強を低コストで実現させた。この重要な動きは短期的なチーム強化につながるだけではなく、今後10年間にわたるGKのポジションの安定性を確保するだろう」
同氏がその際に引き合いに出すのが、セルヒオ・ブスケッツが退団したときのケースだ。後継の備えができていなかったバルサは、マルク・カサドとフレンキー・デ・ヨングがペドリのパートナーとして定着するまで後継者の不在に悩まされ続けた。
もちろんテア・シュテーゲンはこの事態の進展に納得していない。スペイン紙『MUNDO DEPORTIVO』によると、彼はクラブ上層部に説明の場を求めたが、その責任はないと突っぱねられたという。
同紙の副編集長、フェルナンド・ポロ記者は、クラブの正統性を主張する。「いまクラブが行なっているのは、テア・シュテーゲンの獲得時にしたことと同じだ。これはチーム作りだ。これがサッカーであり、人生だ。ある時、あなたが誰かの後釜として加入し、やがて今度は誰かがあなたの後釜として加入する」
『SPORT』のリュイス・ミゲルサンス記者は、バルサが“テア・シュテーゲン外し”の決断に至った背景について、「一番はスポーツ面での判断だ。大怪我から復帰したとはいえ、その影響を不安視している。加えて退団すれば、非常に高額な給与を削減できるという経済的なメリットがあり、ロッカールーム内での振る舞いが好ましくなかったマネジメント面も関係している」と明かしている。
『MUNDO DEPORTIVO』によると、早速テア・シュテーゲンは、トルコの強豪ガラタサライからアプローチを受けているが、現時点で彼に退団の意思はないという。であればこれからどうすべきか。同紙の編集長、サンティ・ノジャ氏は、こう述べている。
「サッカー選手は、練習と試合で常に全力を尽くし、出場機会を勝ち取らなければならない。起用された時は最高のパフォーマンスを発揮し、控えに回った時はチームメイトを支える。それが、チームが機能するための基本姿勢だ。テア・シュテーゲンもそのことを理解し、自身の将来について考えればいい。彼はそれを習慣にしてきた。これが初めてのことではないし、きっと最良の選択をするはずだ」
文●下村正幸
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実際、シーズンの終盤にケガから復帰した際には、ヴォイチェフ・シュチェスニーを登録から外し、自分をチャンピオンズリーグのメンバーに再登録させるよう、代理人を通じてクラブに圧力をかけていたことが明らかになっている。バルサはそのシュチェスニーに契約延長オファーを提示しており、当初はGKを外部から補強する予定はなかった。にもかかわらず動いた背景には、長期的な戦略がある。
スペイン紙『SPORT』のジョルディ・カルネ記者は、このジョアン・ガルシアの獲得を「衝動的ではなく、数年先を見据えた賢明な判断」と高く評価する。「バルサはGKの世代交代を推進する絶好の機会を逃さず、戦略的な補強を低コストで実現させた。この重要な動きは短期的なチーム強化につながるだけではなく、今後10年間にわたるGKのポジションの安定性を確保するだろう」
同氏がその際に引き合いに出すのが、セルヒオ・ブスケッツが退団したときのケースだ。後継の備えができていなかったバルサは、マルク・カサドとフレンキー・デ・ヨングがペドリのパートナーとして定着するまで後継者の不在に悩まされ続けた。
もちろんテア・シュテーゲンはこの事態の進展に納得していない。スペイン紙『MUNDO DEPORTIVO』によると、彼はクラブ上層部に説明の場を求めたが、その責任はないと突っぱねられたという。
同紙の副編集長、フェルナンド・ポロ記者は、クラブの正統性を主張する。「いまクラブが行なっているのは、テア・シュテーゲンの獲得時にしたことと同じだ。これはチーム作りだ。これがサッカーであり、人生だ。ある時、あなたが誰かの後釜として加入し、やがて今度は誰かがあなたの後釜として加入する」
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『MUNDO DEPORTIVO』によると、早速テア・シュテーゲンは、トルコの強豪ガラタサライからアプローチを受けているが、現時点で彼に退団の意思はないという。であればこれからどうすべきか。同紙の編集長、サンティ・ノジャ氏は、こう述べている。
「サッカー選手は、練習と試合で常に全力を尽くし、出場機会を勝ち取らなければならない。起用された時は最高のパフォーマンスを発揮し、控えに回った時はチームメイトを支える。それが、チームが機能するための基本姿勢だ。テア・シュテーゲンもそのことを理解し、自身の将来について考えればいい。彼はそれを習慣にしてきた。これが初めてのことではないし、きっと最良の選択をするはずだ」
文●下村正幸
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