「もちろん、極端なコンディションでプレーするのは楽ではないだろうが、それが波乱を引き起こすような不公平な要因かといえば、そうでもない。EUROもW杯も、ほとんどが夏に開催されるが、それでも強いチームが勝ち上がるものだ。それに、どこの大陸のクラブであっても、極端な暑さでのプレーに慣れているということはない(暑い地域のクラブは基本的にナイターが主流で、そもそも夏にあまり試合を行なわない)」
シーズンの時期の違いに対しても、「確かに南米のチームにとっては多少有利に働いたかもしれないが、アフリカやアジアのリーグはほとんどが欧州と同じ秋から春のカレンダーであり、欧州を含めてほとんどのチームは自国リーグ終了からクラブW杯開始までに3週間ほどの休みがあった」と指摘した同氏は、以下のようにこの大会の価値を強調して記事を締めた。
「私は、クラブW杯という大会は素晴らしいものだと強く信じている。確かに、世界のサッカー資源の99%は欧州にあるかもしれない。しかし実際にピッチに立ってみれば、その差はそこまで大きくない。サッカーの世界は、我々が思っていたよりも、ずっと小さなものなのだ」
一方、イタリアのスポーツ紙『Gazzetta dello Sport』は、「クラブW杯は不評? アメリカでの今大会では様々な問題が噴出しているが、このフォーマット自体は好評で、早くも次回大会の開催を希望する国が列をなしており、現時点ですでに4か国が大会招致に向けて動き出している」と報じている。
まずブラジルは、サッカー連盟の会長のサミール・ショード氏が、ジャンニ・インファンティーノFIFA会長とマイアミで会談した後、公式に立候補を表明し、2030年W杯開催国であるスペインとモロッコも、それぞれ単独での開催を提案。そして新たに、カタールも名乗りを上げ、今大会期間中に同国の代表とFIFA幹部の会談が行なわれたという。
この中でカタールは、広大な国土に散らばる11都市で開催されている今大会とは異なり、「二酸化炭素排出ゼロ」の大会開催が可能であることを主張している点は興味深いが、2022年W杯同様、極度の暑さが問題となるため、今回も冬開催が提案される可能性が高いが、それに対して欧州のリーグがどう反応するかは未知数であると、同メディアは伝えている。
なおFIFAは、今大会こそ「入札」等を経ずに独断でアメリカ開催を決定したが、2029年大会では同じ段取りを取らない可能性が高いという。参加クラブにとって大きな魅力である莫大な賞金は、今大会の総額10億ドル(約1440億円)からさらに増額される可能性もあるということで、この新たなビッグイベントの今後の行方が注目される。
構成●THE DIGEST編集部
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