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Jリーグ・国内

酒井高徳が男になったドイツでの7年半――心無い個人攻撃に傷つきもしたが…【独占インタビュー前編】

多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

2019.11.10

尊敬している選手が、欧州で長く活躍している長谷部。「チームを躍進に導く実力とタフな精神力」を称賛した。(C)Getty Images

尊敬している選手が、欧州で長く活躍している長谷部。「チームを躍進に導く実力とタフな精神力」を称賛した。(C)Getty Images

――正当な評価とリスペクトを欠く単なるバッシングは違うと。

「そのとおりです。お金を払って観に来てくれているファン・サポーターと同じように、僕らも選手生命を懸けて戦っていて、そのために様々なものを投資しているわけです。そこに『お金を払ってきているんだ』という意見は関係ない……、選手だって相応の対価を払っていることを理解せず、簡単に『このチームにはもう不要だ』と言うファンには憤りを感じました」

――ただし、それはヨーロッパで評価される立場になったとも取れるのでは? 本田圭佑選手からはツイッターで『ブーイングされるまでになったか、おめでとう』とコメントをもらっていました。

「あれは、また別の考え方ですよね。まあ圭佑くんらしいなと。なぜパフォーマンスが悪かったのか、なぜ結果を残せなかったのかと、そこにフォーカスを合わせていた僕にとっては新鮮で、『確かに、そういう捉え方もあるな』って感心しました。自分がシビアな世界で戦っているんだという再認識できたというか」
 
――その厳しいヨーロッパで、35歳になった今でも活躍している長谷部誠選手をどう見ていますか?

「本当に尊敬していますし、同じ日本人として誇らしいです。ヴォルフスブルクでリーグ優勝して、フランクフルトでは昨季のヨーロッパリーグで準決勝まで進んだだけでなく、試合に出られない時期や2部降格の辛さも知っています。そういうチームを躍進に導く実力と苦しみを乗り越えるタフな精神力があるし、人間性も素晴らしい。いつもお手本にさせてもらっています。ハセさんの存在は、海外でプレーしている選手にとって、すごく刺激になります」

PROFILE
さかい・ごうとく/ 1991年3月14日生まれ、新潟県出身。176㌢・74㌔。三条SSS―レザーFCJrユース―新潟ユース(プロ以降はキャリアレコード参照)。J1通算78試合・1得点。ブンデスリーガ1部通算168試合・2得点。ブンデスリーガ2部通算31試合・0得点。日本代表通算42試合・0得点。フィジカルと敏捷性に優れ、左右のSBをそつなくこなす。2012年から招集されたA代表では、ワールドカップに2度(14年南アフリカ大会、18年ロシア大会)出場した。

取材・文●多田哲平

※『サッカーダイジェスト』20191010日号より転載

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