専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
日本代表

「まだ上に行かないといけない」ブライトン指揮官も評価を改めた三笘薫の急成長。末恐ろしい25歳の進化【現地発】

松澤浩三

2023.01.05

カタールW杯で話題となった“三笘の1ミリ”をはじめ、日本代表を救う活躍を見せた三笘。本人は「もう過去のことなんで」と語っている。(C)Getty Images

カタールW杯で話題となった“三笘の1ミリ”をはじめ、日本代表を救う活躍を見せた三笘。本人は「もう過去のことなんで」と語っている。(C)Getty Images

 三笘本人もチーム内でプレーがしやすくなっている様子だ。サウサンプトン戦後には「W杯の後のチームでの感触はいいものがありますね。そこの信頼は少し増えたなっていうのは感じますし。でも、試合を重ねて結果を出せないとまた増していかないと思うので」と話していた。

 同時に彼自身もまた、これまで備えていたフットボーラーとしての自信が、先のW杯での活躍でより確固たるものになったように思える。シャイな印象は変わらない。だが、以前よりも表情が柔らかく、晴れ晴れとしているのは確かである。

 そんな三笘にはW杯後に多くのメッセージが送られた。当然、「色々な人が感動してくれるっていうのは、なかなかないことなのでうれしいです」と喜んだ半面、そこで立ち止まるつもりは毛頭ない。彼は「もう過去のことなんで、切り替えていきたいなと思います」ときっぱりと語っている。

 ここもまた、三笘のなりの有言実行だ。この彼の言葉と、2試合連続弾を奪ったエバートン戦(プレミアリーグ第19節)を含めた直近の3試合でのパフォーマンスから判断する限りでは、すでに彼の意識からW杯は完全に振り切られている。
 
 プレミアリーグ移籍に、初のW杯出場でチームはベスト16進出。そしてクロアチア戦でのPK戦ではシュートを外す憂き目にもあった。そんな2022年を締めくくる一戦となったアーセナル戦後、三笘に激動の1年を振り返ってもらった。

「間違いなく大きな1年でしたし、成長できましたけど。やるべきことが多くなったっていうのと、まだ上に行かないといけないっていうのは感じている。怪我をしないことで、成長できると思いますし、こういう強い相手にどれだけできるかっていうところは、プレミアならではの楽しみ。そういう時に価値を出せるようにしたいなと思います。しっかりと下位との試合には勝っていかないといけないと思います」

 ちなみに、サウサンプトンとアーセナル両試合後の三笘は「まだフルのコンディションでない」というコメントも残している。そんな状況でも、世界最高峰のプレミアリーグの舞台で圧倒的な存在感を見せているのである。そう考えると、ますます末恐ろしいが、果たして日進月歩で飛躍を遂げる25歳は、2023年はどのような進化を遂げてくれるのだろうか。

取材・文●松澤浩三
Text by Kozo Matsuzawa

【関連記事】「なんて選手なんだ!」華麗な2試合連続弾を決めた三笘薫に“最高評価”を与えた地元紙も大絶賛「対応するのは悪夢だ」

【関連記事】「アーセナルは彼を制御できなかった」W杯からの“復帰戦”で鮮烈弾の三笘薫に海外メディアも賛辞!「VARが希望を砕いた」

【関連記事】「日本人はおかしい」――ジェフ時代に育成にも響いた指導者・オシムの凄み。日本サッカー界が忘れてはならない姿勢
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号