また、彼にはマルディーニが言及したように「先見の明」があり、それまで小規模だったサッカー市場の活性化を訴え、1988年には現在の「スーパーリーグ」に近い構想を提唱するとともに、チャンピオンズカップの拡大も提案。ミランで名将の道を歩み始めたファビオ・カペッロも、「1988年には、会長はそのことを考えていた。彼は『(リーグ勝者だけが参加できて1回戦からトーナメント方式の)チャンピオンズカップでは最悪2試合(ホーム&アウェー)だけで終わってしまう。考えられない』と語っていた」と回想している。
当時はこれにレアル・マドリーの会長だったラモン・メンドーサだけが賛同したというが、1992年にUEFAはチャンピオンズリーグを創設し、方式を変更し、その後は徐々に出場チーム数を増加させるなど、まさにベルルスコーニ会長のアイデア通りに事は進んでいったのである。
また、まだミランを買収する前に1980年、所有する「メディアセット」の傘下にあるテレビ局「カナーレ(チャンネル)5」が、当時のワールドカップ優勝経験国による記念大会「コパ・デ・オロ」の放送権を得て成功を収めたことで、5つの欧州・南米の強豪クラブによる親善トーナメント「カップ・スーパークラブス(通称ムンディアリート・デ・クラブス」を1981年から1987年まで隔年で行なうことを提案して実現した。ちなみに第1回大会では、ミランにあのヨハン・クライフが助っ人として参加し、話題になったものだ。
エラーも少なくなく、またそのキャリアにおいては、成り上がるまで、そして政治活動において浮上した疑惑、明らかになった汚職、スキャンダルの類のネガティブなエピソードは数知れず、まさにメディアにとってもネタの宝庫とも言える人物だったが、その死に際して多くの賛辞が贈られているのは、やはりその輝かしい功績ゆえだろう。
ミランの宿敵インテルで1995年から2013年までオーナーを務めたマッシモ・モラッティは、何かと比較されてきたベルルスコーニ氏について「イタリアを象徴し、我々の生活に影響を与えてきた強い存在だ。彼は政治、そしてサッカー界に変化をもたらした。強い存在感を持ち、印象的な存在だったが、彼は逝ってしまった」と語り、自身がインテルを買収したのも、ミランでその手腕を発揮するベルルスコーニ氏の影響が大きかったことを認めた。
ライバル同士でありながら、多くの交友があったというモラッティ元会長は、父アンジェロ氏(大実業家で偉大なインテルの会長だった)の下でベルルスコーニ氏の母親が秘書として働いていたことから、「母親の影響で(ベルルスコーニ氏は)インテルのファンになったといわれている。彼の父親はミラニスタだったようだが」と明かしており、ベルルスコーニ氏自身も「子どもの頃はネラッズーリを観に行ったものだ」と振り返っている。
ロッソネロの象徴でもあった偉大なるプレジデントの意外な過去ではあるが、これが彼の残した功績を汚すことはない。改めて、ベルルスコーニ氏の冥福を祈りたい。
構成●THE DIGEST編集部
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エラーも少なくなく、またそのキャリアにおいては、成り上がるまで、そして政治活動において浮上した疑惑、明らかになった汚職、スキャンダルの類のネガティブなエピソードは数知れず、まさにメディアにとってもネタの宝庫とも言える人物だったが、その死に際して多くの賛辞が贈られているのは、やはりその輝かしい功績ゆえだろう。
ミランの宿敵インテルで1995年から2013年までオーナーを務めたマッシモ・モラッティは、何かと比較されてきたベルルスコーニ氏について「イタリアを象徴し、我々の生活に影響を与えてきた強い存在だ。彼は政治、そしてサッカー界に変化をもたらした。強い存在感を持ち、印象的な存在だったが、彼は逝ってしまった」と語り、自身がインテルを買収したのも、ミランでその手腕を発揮するベルルスコーニ氏の影響が大きかったことを認めた。
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