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海外サッカー

スペインとフランスの“決定的な違い”は「戦術的な攻略手段を持っていたかどうか」【EURO2024コラム】

片野道郎

2024.07.13

 しかしその後は上に見たような形でスペインに逆転を許し、その後もボールと主導権を握られて試合をコントロールされ、それに対する有効な対抗手段を見出すことができないまま試合終了を迎えるしかなかった。
 
 62分にラビオ、カンテ、コロ・ミュアニを下げ、エドゥアルド・カマビンガ、グリーズマン、ブラッドレー・バルコラを投入した「3枚替え」の後も流れは変わらず。頼みの綱のエムバペも、いい形でボールを持って仕掛ける、あるいはフィニッシュに絡む場面はほとんど見られないままで、ようやく訪れた86分のチャンスも、シュートは枠を捉えることすらできなかった。

 スペインとフランスを比較した時に、個のクオリティーに関して大きな違いがあるわけではない。ヤマル/アルバロ・モラタ/N・ウィリアムスという3トップと、デンベレ/コロ・ミュアニ/エムバペの3トップに優劣をつけるのは簡単ではない。しかしこの試合の中では、彼らのクオリティーを引き出し活かすための戦術的な「お膳立て」、システマチックな攻略の手段をチーム(監督)が用意できたかどうかが、決定的な違いになった。

文●片野道郎
 


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