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海外サッカー

超寡黙なメッシが「喋り始めた」理由。今や敵将と言い争うまでに…

ワールドサッカーダイジェスト編集部

2020.02.01

セティオン記者は家族の存在が、メッシを少年から青年に変えたと分析する。(C)Getty Images

セティオン記者は家族の存在が、メッシを少年から青年に変えたと分析する。(C)Getty Images

 メッシに何が起こったのだろうか。32年間の沈黙を破った理由はどこにあるのだろうか。

 世間では様々な意見が出ているが、私はその最大の理由が家族にあると思っている。幼少期に出会ったアントネラ・ロクソと結婚し、3人の息子を授かった。家族が心に平穏をもたらし、少年を青年に変え、異なる人生観を与えたのではないか。「自らの口で語る」という新たな表現方法も含めてだ。

 もうひとつ無視できないのが、年齢の問題だ。メッシはもう32歳。残念ながらこれから、“足で語る”機会はどんどん減っていくだろう。足首の怪我でスタンド観戦を余儀なくされた今シーズン序盤戦で、本人もそのことを強く感じたようだ。こう吐露している。

「自分では25歳ぐらいの気持ちでいて、25歳ぐらいのパフォーマンスができると思っている。でも、身体は25歳じゃない。だから怪我をするんだ」
 
 自分の伝えたいことが、プレーだけでは伝えられなくなる――。これからはそんな機会が多くなるだろう。そう遠くない未来に訪れる引退後は余計にそうだ。だったら口を開くしかない。

 こうしてサッカー人生の終盤に差し掛かり、やっとメッシは自分が何を思っているか、何を望んでいるかを語り出した。重圧から嘔吐しても、ハットトリックを決めても、無言でスタジアムを去る――。そんなかつてのメッシは、もはや忘却の彼方だ。
 

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