現在行なわれている男子テニスツアーのマスターズ1000シリーズ「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(4月6日~13日/モナコ・モンテカルロ/クレーコート)は、大会5日目の現地10日にシングルス3回戦を実施。ノーシードで世界ランキング42位のアレハンドロ・ダビドビッチフォキナ(スペイン)が、第5シードで同6位のジャック・ドレイパー(イギリス)を6-3、6-7(6)、6-4で下し、ベスト8進出を決めた。
だが勝ったダビドビッチフォキナに笑顔はなかった。むしろ試合後はどこか感情的な様子で、涙を拭う姿まで見られたのだ。一体何があったのか?その真相をオンコートインタビューでこう明かしている。
「今日は自分の最高のテニスができなかっただけじゃなくて、メンタル面でもベストの状態ではなかった。試合の戦略的な面でも、うまく対応できなかったと思う。本当に厳しい試合で、頭の中は最初から最後までジェットコースターのようだった」
「自分では良いプレーができていると感じる瞬間もあったけど、その中で色々と“最低な思考”が頭の中に浮かんできた。正直なところ、今日は自分の感情をコントロールできなかった。ここでまた試合ができるというだけで、感情的になってしまっていたけれど、ある瞬間から自分自身を尊重できなくなってしまった。そして、自分のチームに対しても同じような態度になった。今日の自分の振る舞いを本当に申し訳なく思っている。ただ、今できることは受け入れて、明日はもっと良い自分でいることだけを考えたい」
快晴の下行なわれたこの試合は序盤からダビドビッチフォキナがゲームをコントロール。2度のブレークを奪って第1セットを先取し、第2セットも先にブレークして勝利へ一直線に進んでいた。
しかし1人の観客が失神で倒れたことにより試合が一時中断。無事プレーは再開されるも、集中力が切れたのか、再開後のダビドビッチフォキナはミスを連発し、第6ゲームでブレークバックを献上してしまう。その直後にはボックス席にいたコーチのフェリックス・マンティーヤ氏と口論を繰り広げる事態にも発展。冷静さを欠いたダビドビッチフォキナはタイブレークを落とし、セットオールに持ち込まれた。
スペインメディア『punto de break』によれば、マンティーヤ氏はファイナルセットの最中、ずっとボックス席を離れていたとのこと。結局同セットでは3度のブレークを果たして2時間46分の熱戦をものにしたダビドビッチフォキナだったが、自身の傍若無人な振る舞いに対する後悔が強く残り、試合後は勝ったことを素直に喜べなかったという。
それでもインタビューの最後には「どんなに苦しくても、一球一球に集中することだけはやめなかった。終盤の数ゲームで、持てる全てをぶつけられたのが勝因だと思う。本当に、最後の2ゲームでうまく問題を乗り越えられてよかった」とポジティブに試合を振り返ったダビドビッチフォキナ。動物愛護活動にも精を注ぐ心優しい彼なら、今回の反省を次に生かしてくれるはずだ。
文●中村光佑
【動画】試合に勝ったものの浮かばない表情を浮かべるダビドビッチフォキナ
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だが勝ったダビドビッチフォキナに笑顔はなかった。むしろ試合後はどこか感情的な様子で、涙を拭う姿まで見られたのだ。一体何があったのか?その真相をオンコートインタビューでこう明かしている。
「今日は自分の最高のテニスができなかっただけじゃなくて、メンタル面でもベストの状態ではなかった。試合の戦略的な面でも、うまく対応できなかったと思う。本当に厳しい試合で、頭の中は最初から最後までジェットコースターのようだった」
「自分では良いプレーができていると感じる瞬間もあったけど、その中で色々と“最低な思考”が頭の中に浮かんできた。正直なところ、今日は自分の感情をコントロールできなかった。ここでまた試合ができるというだけで、感情的になってしまっていたけれど、ある瞬間から自分自身を尊重できなくなってしまった。そして、自分のチームに対しても同じような態度になった。今日の自分の振る舞いを本当に申し訳なく思っている。ただ、今できることは受け入れて、明日はもっと良い自分でいることだけを考えたい」
快晴の下行なわれたこの試合は序盤からダビドビッチフォキナがゲームをコントロール。2度のブレークを奪って第1セットを先取し、第2セットも先にブレークして勝利へ一直線に進んでいた。
しかし1人の観客が失神で倒れたことにより試合が一時中断。無事プレーは再開されるも、集中力が切れたのか、再開後のダビドビッチフォキナはミスを連発し、第6ゲームでブレークバックを献上してしまう。その直後にはボックス席にいたコーチのフェリックス・マンティーヤ氏と口論を繰り広げる事態にも発展。冷静さを欠いたダビドビッチフォキナはタイブレークを落とし、セットオールに持ち込まれた。
スペインメディア『punto de break』によれば、マンティーヤ氏はファイナルセットの最中、ずっとボックス席を離れていたとのこと。結局同セットでは3度のブレークを果たして2時間46分の熱戦をものにしたダビドビッチフォキナだったが、自身の傍若無人な振る舞いに対する後悔が強く残り、試合後は勝ったことを素直に喜べなかったという。
それでもインタビューの最後には「どんなに苦しくても、一球一球に集中することだけはやめなかった。終盤の数ゲームで、持てる全てをぶつけられたのが勝因だと思う。本当に、最後の2ゲームでうまく問題を乗り越えられてよかった」とポジティブに試合を振り返ったダビドビッチフォキナ。動物愛護活動にも精を注ぐ心優しい彼なら、今回の反省を次に生かしてくれるはずだ。
文●中村光佑
【動画】試合に勝ったものの浮かばない表情を浮かべるダビドビッチフォキナ
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