184cmの長身から繰り出される力強いショットを武器に、2022年のウインブルドンで四大大会初優勝を飾り、これまでに9つのツアータイトルを獲得するなど、女子テニス界を牽引し続けてきた元世界ランキング3位のエレーナ・ルバキナ(カザフスタン/現12位/26歳)。彼女は2019年から師事してきたステファノ・ブコフ氏(クロアチア/38歳)が行動規律違反による資格停止処分を科されたことにより、現在は元世界42位の実績を持つ日本の添田豪氏の元コーチ、ダビデ・サングネッティ氏(イタリア/52歳)に指導を受けている。
スペインメディア『Punto de Break』によると、元プロ選手で現役時代にシングルスで2度のツアー優勝を経験し、2008年に引退したサングネッティ氏は比較的最近になって指導者としての道を歩み始めた。これまでは主に男子選手をサポートし、添田氏の他には元18位のビンセント・スペーディア氏(アメリカ/現51歳)や、現在活躍中のブランドン・ナカシマ(アメリカ/現32位)のコーチを務めた実績を持つ。
一方女子では元世界1位で四大大会3度の準優勝を誇るディナラ・サフィーナ氏(ロシア/現39歳)を指導した実績を持つサングネッティ氏だが、不慣れな女子選手の指導は彼にとって「新たなチャレンジ」であり、今年2月に始まったルバキナとのタッグについても「まだ模索中の段階にある」と言う。
コミュニケーション能力に定評があり、親しみやすいキャラクターを持つことでも知られるサングネッティ氏は母国イタリアのテニスメディア『Supertennis』に対し、「男子選手と女子選手を指導する時の違い」に触れながらこう語る。
「女子選手に対しては、もう少し繊細に接する必要があるし、コミュニケーションや物事の伝え方にも違ったアプローチが求められる。私自身、女子選手の指導に関してはまだ新米だから、今は大会ごとに学びながら適応している感じかな」
冒頭で紹介した通りルバキナは2023年にキャリアハイの世界3位をマークしたが、昨シーズンは体調不良やケガの影響で思うような結果を残せず。今季は5月の「ストラスブール国際」(フランス・ストラスブール/クレーコート/WTA250)で決勝に進出するなど成績は安定しているものの、ツアー優勝はまだなく、現在のランキングは12位となっている。
そんなルバキナの現状に物足りなさを感じているというサングネッティ氏は、今後に向けたチームのビジョンを次のように明かしている。
「ルバキナとは今年2月からタッグを組んでいるが、それ以前に彼女と仕事をしたことはなかった。だからまずは、これまでどんなトレーニングをしてきたのかを彼女に説明してもらい、その上で『自分の指導スタイルを定着させるのには2年はほしい』と伝えた。最初の1年は現状維持を目指しつつ、ランキングで6位以内に入ることが目標。その後は世界1位を目指したい。私は彼女にはそれだけのポテンシャルがあると確信している」
これからルバキナとサングネッティ氏がどのようなケミストリーを見せるのか。両者の歩みに注目していきたい。
文●中村光佑
【画像】ルバキナはじめ、2025全仏オープンを戦う女子トップ選手たちの厳選フォト
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スペインメディア『Punto de Break』によると、元プロ選手で現役時代にシングルスで2度のツアー優勝を経験し、2008年に引退したサングネッティ氏は比較的最近になって指導者としての道を歩み始めた。これまでは主に男子選手をサポートし、添田氏の他には元18位のビンセント・スペーディア氏(アメリカ/現51歳)や、現在活躍中のブランドン・ナカシマ(アメリカ/現32位)のコーチを務めた実績を持つ。
一方女子では元世界1位で四大大会3度の準優勝を誇るディナラ・サフィーナ氏(ロシア/現39歳)を指導した実績を持つサングネッティ氏だが、不慣れな女子選手の指導は彼にとって「新たなチャレンジ」であり、今年2月に始まったルバキナとのタッグについても「まだ模索中の段階にある」と言う。
コミュニケーション能力に定評があり、親しみやすいキャラクターを持つことでも知られるサングネッティ氏は母国イタリアのテニスメディア『Supertennis』に対し、「男子選手と女子選手を指導する時の違い」に触れながらこう語る。
「女子選手に対しては、もう少し繊細に接する必要があるし、コミュニケーションや物事の伝え方にも違ったアプローチが求められる。私自身、女子選手の指導に関してはまだ新米だから、今は大会ごとに学びながら適応している感じかな」
冒頭で紹介した通りルバキナは2023年にキャリアハイの世界3位をマークしたが、昨シーズンは体調不良やケガの影響で思うような結果を残せず。今季は5月の「ストラスブール国際」(フランス・ストラスブール/クレーコート/WTA250)で決勝に進出するなど成績は安定しているものの、ツアー優勝はまだなく、現在のランキングは12位となっている。
そんなルバキナの現状に物足りなさを感じているというサングネッティ氏は、今後に向けたチームのビジョンを次のように明かしている。
「ルバキナとは今年2月からタッグを組んでいるが、それ以前に彼女と仕事をしたことはなかった。だからまずは、これまでどんなトレーニングをしてきたのかを彼女に説明してもらい、その上で『自分の指導スタイルを定着させるのには2年はほしい』と伝えた。最初の1年は現状維持を目指しつつ、ランキングで6位以内に入ることが目標。その後は世界1位を目指したい。私は彼女にはそれだけのポテンシャルがあると確信している」
これからルバキナとサングネッティ氏がどのようなケミストリーを見せるのか。両者の歩みに注目していきたい。
文●中村光佑
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