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海外テニス

苦境脱出にもがく元1位メドベージェフにレジェンドが喝!「ネットプレーは5点くらいの能力」と改善点をバッサリ<SMASH>

中村光佑

2025.09.10

メドベージェフ(左)のチーム体制一新にはレジェンドのウッドブリッジ氏(右)も理解を示すが、技術面でネットプレーの改善も必須だと指摘する。(C)Getty Images

メドベージェフ(左)のチーム体制一新にはレジェンドのウッドブリッジ氏(右)も理解を示すが、技術面でネットプレーの改善も必須だと指摘する。(C)Getty Images

 今季最後のテニス四大大会「全米オープン」の男子シングルスでまさかの初戦敗退を喫した元世界ランキング1位のダニール・メドベージェフ(ロシア/29歳/現18位)。深刻な不振にあえいでいる彼は今、新たなチーム体制で再起を図ろうとしている。

 およそ8年間にわたり苦楽を共にしたメインコーチのジル・セルバラ氏、さらには11年間もフィットネストレーナーを務めたエリック・ヘルナンデス氏との契約を相次いで解消し、その直後に錦織圭の元コーチであるトーマス・ヨハンソン氏(スウェーデン)と、過去にオランダテニス連盟のナショナルヘッドコーチを務めたローハン・ゲッツケ氏(オーストラリア)を招聘したのは既報の通りだ。

 苦境からの脱却に向けて大きな決断を下したメドベージェフ。そんな彼に“激励の喝”を送ったのが、ダブルス元世界1位のトッド・ウッドブリッジ氏(オーストラリア/54歳)――同郷のマーク・ウッドフォード氏(59歳)とのペアで11度も四大大会男子複を制し、“ウッディーズ”の愛称で親しまれた往年の名選手だ。

 全米オープン男子シングルス決勝後、ウッドブリッジ氏は全豪オープンの公式YouTubeで配信されたポッドキャスト『The Tennis』に出演。話題がカルロス・アルカラス(スペイン/現1位)とヤニック・シナー(イタリア/現2位)から他の選手たちに移ったところで、メドベージェフの不振について言及し、悩める29歳の現状をこう評した。

「彼にはまだ伸びしろがある。そんな中でのコーチ陣の総入れ替えはおそらく必然的な流れだったのだろう。僕も彼に対しては気分を一新する必要があると考えていた。彼は見ていて面白い一方で、時に完全に冷静さを失ってしまうこともある。崩れた時の彼はまるで列車事故にでも遭ったかのように見えることもあるが、誰しもそういうことはある」
 
 今のメドベージェフは「自分に過剰なプレッシャーをかけすぎていて、その緊張感に苦しんでいるように見える」上に、「大事な場面になればなるほど、プレーを楽しめていないようにも感じる」とウッドブリッジ氏。メンタル面だけではなくプレー面での改善点も指摘しており、中でもネットプレーの技術を伸ばすことが再起への重要なカギになると同氏は自身の考えを説く。

「特にネットに出てボレーで決める技術を磨くこと。強さを取り戻したいならそこの改善が必要になると思う。ベースライン後方でのラリーやサービスでは見事なプレーを見せているが、ネットプレーに関しては10点満点中5点くらいの能力しかない。だが彼ほどの実力者なら最低でも7点か8点には達していなければならない」

 ウッドブリッジ氏の指摘は厳しさの裏に、メドベージェフへの大きな期待が込められている。環境を大胆に刷新した29歳が再び輝きを取り戻せるか。新たな挑戦の行方に注目しよう。

文●中村光佑

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