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海外テニス

元世界王者ジョコビッチが家族とともにギリシャへ移住!母国セルビア政府との関係悪化が原因<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.09.12

以前から噂されていた政府の弾圧から逃れるための「ジョコビッチ移住計画」が遂に現実のものとなった。(C)Getty Images

以前から噂されていた政府の弾圧から逃れるための「ジョコビッチ移住計画」が遂に現実のものとなった。(C)Getty Images

 男子テニス元世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア/現世界ランキング4位)が、妻と2人の子どもと共にセルビアからギリシャへ移住した。これまで「移住計画」として報じられてきた動きが、ついに現実のものとなった。

 現地メディア『Proto Thema』などによれば、家族はアテネ南部郊外の高級住宅地グリファダに住居を構え、長男ステファン(10歳)と長女タラ(8歳)は、同じく南部にある英国式の私立校「セント・ローレンス・カレッジ」に通い始めた。またジョコビッチは、息子と共に海沿にあるカヴーリ・テニスクラブのコートに立つ姿を目撃されており、新天地での生活はすでに始動しているようだ。

 この移住をめぐっては以前から噂があった。きっかけはセルビア国内での学生抗議デモへの支持表明だ。昨年11月から12月にかけて、ノバサド駅での屋根崩落事故により16人が死亡したことを契機に学生の抗議活動が拡大。ジョコビッチはSNSで「若者の力とより良い未来への願いを信じる一人として、彼らの声が聞かれることは重要だと考える。セルビアには莫大な可能性があり、教育を受けた若者こそ最大の強みだ。我々に必要なのは理解と尊重。あなたたちと共に、ノバク」と投稿した。

 この発言を境に、ジョコビッチとセルビア政府との関係は悪化。アレクサンダル・ブチッチ大統領は抗議活動を「外国勢力による革命」と非難し、親政府系メディアはジョコビッチを「偽の愛国者」と断じた。ウインブルドンで見せた「Pump It Up」のダンスも、一部では反政府デモの象徴と解釈されたが、本人は「子どもたちが好きな曲にちなんだだけで、政治的な意味はない」と否定している。
 
 一方でジョコビッチはギリシャとの関係を深めてきた。今年5月には妻エレナと共にアテネ北部の高級住宅地や私立学校などを視察し、キリアコス・ミツォタキス首相とも面会。さらに「ゴールデンビザ」と呼ばれる投資家向け居住権制度を利用し、居住許可を得たと報じられていた。今回の正式な移住は、そうした一連の動きの延長線上にある。

 また、これまでベオグラードでジョコビッチ家が主催してきたATP250大会が、今年はアテネで「ヘレニック・チャンピオンシップ」として開催されることも決まった。大会は11月2日から8日に行なわれ、地元スターのステファノス・チチパスと並んで、ジョコビッチが目玉選手として出場予定だ。

 全米オープンでは四大大会4大会連続となる準決勝敗退を喫し、25度目のメジャー制覇はならなかった。それでも家族とともに新生活を始めた38歳は、練習拠点の候補としてアテネのタトイ・クラブを挙げるなど、環境を整えている。競技人生の終盤戦と「その先」を見据えた彼の選択は、今後のキャリアにも大きな影響を与えそうだ。

構成●スマッシュ編集部

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