2017年にプロ転向し、強力なサービスやストロークを生かした攻撃的なプレーを武器に活躍してきた男子テニスのフェリックス・オジェ-アリアシム(カナダ/25歳)。今季は9月の全米オープン(アメリカ・ニューヨーク/四大大会)でベスト4入りを果たし、10月の「BNPパリバ・フォルティス・ヨーロピアン・オープン」(ベルギー・ブリュッセル/室内ハード/ATP250)を含むツアー3勝を挙げるなど、1年を通して素晴らしいパフォーマンスを見せてきた。
今季開幕時に29位だった世界ランキングも現在は8位。11月9日に開幕した男子シーズン最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(イタリア・トリノ/室内ハード/FIN)にも自身2度目の出場を果たした。現地10日に実施されたビヨン・ボルグ・グループ(予選リーグ)第1戦では世界1位のヤニック・シナー(イタリア)と対戦。試合中に左足を痛めた影響もあり5-7、1-6で敗れたが、本人いわく「あまり心配はない」そうで、初の準決勝進出へ向けてまだ挽回のチャンスはある。
オジェ-アリアシムがファイナルズ初出場を果たした22年シーズン、彼は2月のロッテルダム(オランダ/ATP500)でツアー決勝での連敗を8で止めて念願の初タイトルを獲得すると、10月にはフィレンツェ(イタリア/ATP250)、アントワープ(ベルギー/ATP250)、バーゼル(スイス/ATP500)で驚異の3週連続優勝を達成。世界ランキングでもキャリアハイの6位をマークし、名誉ある最終戦への切符をつかみ取った。次々と勝利を重ねるその姿は、まさに若き才能が覚醒した瞬間だった。
しかし破竹の勢いを見せていた3年前の自分と今の自分を比べると、「今の自分の方がいい選手だと思う」と、一回り成熟した25歳は自信を見せる。ファイナルズ開幕前に応じた海外メディア『BB Tennis』のインタビューで、最近のプレー面やメンタル面での変化について次のように語った。
「プレー面で言えば、今は以前よりも完成度が高くなり、一貫性が増していると思う。自分でもずっとサービスとフォアハンドは良いと思っていたけど、バックハンドとリターン、さらには安定性もかなり良くなったと感じている。中でもサービスとフォアの精度は、以前は波が出ることもあったけど、今はより安定してきているから、それを維持していきたい」
「精神面でも、苦しい時にパニックに陥ることが減ったと思う。今年で言えば数カ月ほとんど勝てなかった時期があったのにもかかわらず、20代前半の頃よりは落ち着いていられたし、調子が戻ってきた時にはそのチャンスを逃さず結果につなげることができた。繰り返しにはなるが、一貫性が増したことこそ、今こうしてここにいられる理由だ」
今やツアー8勝を挙げ、世界のトッププレーヤーとして確固たる地位を築きつつあるオジェ-アリアシム。今後のさらなる飛躍に期待がかかる。
文●中村光佑
【画像】オジェ-アリアシムをはじめ、全米オープン2025で躍動した男子トップ選手たちの厳選フォト
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今季開幕時に29位だった世界ランキングも現在は8位。11月9日に開幕した男子シーズン最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(イタリア・トリノ/室内ハード/FIN)にも自身2度目の出場を果たした。現地10日に実施されたビヨン・ボルグ・グループ(予選リーグ)第1戦では世界1位のヤニック・シナー(イタリア)と対戦。試合中に左足を痛めた影響もあり5-7、1-6で敗れたが、本人いわく「あまり心配はない」そうで、初の準決勝進出へ向けてまだ挽回のチャンスはある。
オジェ-アリアシムがファイナルズ初出場を果たした22年シーズン、彼は2月のロッテルダム(オランダ/ATP500)でツアー決勝での連敗を8で止めて念願の初タイトルを獲得すると、10月にはフィレンツェ(イタリア/ATP250)、アントワープ(ベルギー/ATP250)、バーゼル(スイス/ATP500)で驚異の3週連続優勝を達成。世界ランキングでもキャリアハイの6位をマークし、名誉ある最終戦への切符をつかみ取った。次々と勝利を重ねるその姿は、まさに若き才能が覚醒した瞬間だった。
しかし破竹の勢いを見せていた3年前の自分と今の自分を比べると、「今の自分の方がいい選手だと思う」と、一回り成熟した25歳は自信を見せる。ファイナルズ開幕前に応じた海外メディア『BB Tennis』のインタビューで、最近のプレー面やメンタル面での変化について次のように語った。
「プレー面で言えば、今は以前よりも完成度が高くなり、一貫性が増していると思う。自分でもずっとサービスとフォアハンドは良いと思っていたけど、バックハンドとリターン、さらには安定性もかなり良くなったと感じている。中でもサービスとフォアの精度は、以前は波が出ることもあったけど、今はより安定してきているから、それを維持していきたい」
「精神面でも、苦しい時にパニックに陥ることが減ったと思う。今年で言えば数カ月ほとんど勝てなかった時期があったのにもかかわらず、20代前半の頃よりは落ち着いていられたし、調子が戻ってきた時にはそのチャンスを逃さず結果につなげることができた。繰り返しにはなるが、一貫性が増したことこそ、今こうしてここにいられる理由だ」
今やツアー8勝を挙げ、世界のトッププレーヤーとして確固たる地位を築きつつあるオジェ-アリアシム。今後のさらなる飛躍に期待がかかる。
文●中村光佑
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