現在開催中の男子テニスシーズン最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(11月9日~16日/イタリア・トリノ/室内ハードコート/FIN)で予選リーグ敗退に終わった世界ランキング3位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)に対し、イギリステニス界のレジェンドであるティム・ヘンマン氏(51歳)が辛辣な評価を下した。
同大会では2018年と21年の2度にわたり優勝を経験している28歳のズベレフ。今年はラウンドロビン(総当たり戦の予選)のビヨン・ボルグ・グループ第1戦でベン・シェルトン(アメリカ/現5位)に6-3、7-6(6)で勝利したが、第2戦では前回覇者のヤニック・シナー(イタリア/同2位)に4-6、3-6で敗戦。そして準決勝進出を懸けた現地15日の第3戦では、今年9月の全米オープン3回戦で敗れていたフェリックス・オジェ-アリアシム(カナダ/同8位)に4-6、6-7(4)で再び屈し、今季の戦いを終えた。
英メディア『Sky Sports』の生放送でこの試合の解説を務めたヘンマン氏は、今年のズベレフが思ったほど振るわなかったことに、少々驚いたと語る。1月の「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/四大大会)で準優勝と幸先の良いスタートを切っていたのが理由だ。
「年明けのズベレフのパフォーマンスを考えると、今年の結果には驚かされた。当時私は彼に対して『今年こそは四大大会で優勝できる』と思っていたし、全豪では決勝まで進んだから、かなり期待していた」
終わってみれば、今季タイトルを獲得したのは4月に出場したミュンヘン(ドイツ/クレー/ATP500)のみで、準優勝は先述の全豪オープンを含め3度。シーズン終盤もウィーン(オーストリア/室内ハード/ATP500)で準優勝、パリ(フランス/室内ハード/ATP1000)でベスト4と安定はしていたズベレフだが、かねてより同選手に期待を寄せているヘンマン氏からすると物足りない結果だったようだ。
オジェ-アリアシム戦後、同氏はズベレフの課題を指摘しつつ、次のようにコメントした。
「今の彼のプレーを見ると、どういうゲームプランを立てているのかがわからないし、正直なところ迷走しているようにも感じる。サービスは素晴らしく、通常今日みたいな試合ではそれが彼を支えてくれるが、ベースラインでのプレーにおいてはフォアハンドが弱く、相手のショットに反応しながらただ返すだけの状態になってしまっている。積極的に前に踏み込んで打つことは少なく、逆に引いてしまう場面が目立つし、時にはショットをクリーンに打てずにミスしてしまうこともある」
ヘンマン氏の愛のムチは、ズベレフが殻を破り、四大大会初制覇という“最後のピース”をつかむことを願ってのことだろう。カルロス・アルカラス(スペイン/現1位)とヤニック・シナー(イタリア/同2位)の“2強時代”に挑む彼にとって、度重なるケガとも闘った今季の経験は大きな糧となるはずだ。
文●中村光佑
【動画】「ATPファイナルズ」ラウンドロビン第3戦のハイライト! ズベレフVSオジェ-アリアシムは5:20~
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英メディア『Sky Sports』の生放送でこの試合の解説を務めたヘンマン氏は、今年のズベレフが思ったほど振るわなかったことに、少々驚いたと語る。1月の「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/四大大会)で準優勝と幸先の良いスタートを切っていたのが理由だ。
「年明けのズベレフのパフォーマンスを考えると、今年の結果には驚かされた。当時私は彼に対して『今年こそは四大大会で優勝できる』と思っていたし、全豪では決勝まで進んだから、かなり期待していた」
終わってみれば、今季タイトルを獲得したのは4月に出場したミュンヘン(ドイツ/クレー/ATP500)のみで、準優勝は先述の全豪オープンを含め3度。シーズン終盤もウィーン(オーストリア/室内ハード/ATP500)で準優勝、パリ(フランス/室内ハード/ATP1000)でベスト4と安定はしていたズベレフだが、かねてより同選手に期待を寄せているヘンマン氏からすると物足りない結果だったようだ。
オジェ-アリアシム戦後、同氏はズベレフの課題を指摘しつつ、次のようにコメントした。
「今の彼のプレーを見ると、どういうゲームプランを立てているのかがわからないし、正直なところ迷走しているようにも感じる。サービスは素晴らしく、通常今日みたいな試合ではそれが彼を支えてくれるが、ベースラインでのプレーにおいてはフォアハンドが弱く、相手のショットに反応しながらただ返すだけの状態になってしまっている。積極的に前に踏み込んで打つことは少なく、逆に引いてしまう場面が目立つし、時にはショットをクリーンに打てずにミスしてしまうこともある」
ヘンマン氏の愛のムチは、ズベレフが殻を破り、四大大会初制覇という“最後のピース”をつかむことを願ってのことだろう。カルロス・アルカラス(スペイン/現1位)とヤニック・シナー(イタリア/同2位)の“2強時代”に挑む彼にとって、度重なるケガとも闘った今季の経験は大きな糧となるはずだ。
文●中村光佑
【動画】「ATPファイナルズ」ラウンドロビン第3戦のハイライト! ズベレフVSオジェ-アリアシムは5:20~
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