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約3カ月ぶりに実戦復帰の錦織圭、慶應チャレンジャー初戦で市川泰誠とのフルセットマッチを制す「十分な試合はできたと思う」<SMASH>

中村光佑

2025.11.18

予選勝者の市川に第1セットを落とした錦織。しかし第2セット以降はリズムをつかんで立て直し、逆転勝利を収めた。写真=永島裕基

 負傷によりツアーを離れていた男子テニス元世界ランキング4位の錦織圭(現159位)が、国内開催の下部大会「横浜慶應チャレンジャー国際テニストーナメント 2025 supported by 三田興産」(11月17日~23日/神奈川県・慶應義塾大学日吉キャンパス/ハードコート/CH75)で待望の実戦復帰を果たした。大会2日目の18日に実施された1回戦では、予選勝者で世界793位の市川泰誠と対戦。錦織が4-6、6-1、6-1で勝利し、見事復帰戦を白星で飾った。

 今季の欧州クレーコートシーズンで腰を負傷した35歳の錦織は、8月の「シンシナティ・オープン」(アメリカ/ATP1000)で1度復帰したものの、1回戦でカミロ・ウーゴ・カラベリ(アルゼンチン/現49位)に敗れた後に再びツアーを離脱。今大会が約3カ月ぶりの実戦となった。

 ちなみに錦織がチャレンジャー大会に出場するのは今年3月に米国で開催された「アリゾナ・テニス・クラシック」(ハード/CH175)以来。また自国開催の同カテゴリー大会への参戦は、2006年の「島津全日本室内テニス選手権大会」以来、実に19年ぶり2度目となる。

 1回戦で錦織が対峙したのは、今年1月に世界ランキングで自己最高位の636位を記録し、10月の「全日本テニス選手権」(東京・有明/ハード)で準優勝を果たした24歳の市川。日本人対決となったこの試合はブランクの影響からか錦織が開始直後のゲームで3本のアンフォーストエラー(自滅的ミス)を犯していきなりブレークを許してしまう。その後の錦織は粘りのプレーで相手に食らいついていったが、リターンゲームで目立ったチャンスを作れず、第1セットを落とした。
 
 それでも第2セットに入ると錦織が徐々にペースをつかんでいく。2-1で迎えた第4ゲームで市川のミスに乗じてポイントを先行すると、最後は鋭いリターンで初のブレークを獲得。以降は代名詞の"エアK"やセンターへのサービスエースも飛び出すなど完全に主導権を握り、第3ゲームから一気に5ゲームを連取してセットオールに持ち込んだ。

 そして勝負のファイナルセットでは錦織がさらにギアアップ。第1ゲームから立て続けに4ゲームを奪うと、迎えた第7ゲームで3度目のブレークを果たし、1時間21分で逆転勝利を収めた。

 試合後のインタビューで錦織は今大会への出場を決めた理由について「日本の大会はこれが最後で、締め切りギリギリだったが、来年に向けて1試合でも出たいという思いでエントリーした」と説明。「序盤は大分硬さがあり、納得のいかないところは多かった」とプレー内容を振り返りつつ、「最終的には楽しかった。復帰初戦ということを考えたら十分な試合はできたと思う」と手応えを口にした。

 2回戦では、同18日の1回戦にてワイルドカード(主催者推薦)で出場した日本勢のジョーンズ怜音(現在ランキングなし)を3-6、6-1、6-2で破った世界374位のシン・サンヒ(韓国)と対戦する錦織。次戦以降も1試合ずつ、本来のプレーを取り戻していってほしい。

文●中村光佑

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