海外テニス

「なにもかも悲観的に思え…」2010年には引退を考えたというジョコビッチが、当時の心境を明かす

THE DIGEST編集部

2020.05.02

今年の全豪で17勝目のグランドスラムタイトルを獲得したジョコビッチが、意外な過去を語った。(C)Getty Images

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、現在はツアー中断中のテニス。男子世界1位のノバク・ジョコビッチが、イタリアの衛星放送『スカイ・スポーツ』のインタビュー企画で驚きの告白をして話題になっている。

 家族とともに滞在中のスペインの自宅から生配信で出演したジョコビッチは、、「メンタル的に少し無気力になっていて困惑もしていた」とロックダウン当初の心境をコメント。現在は落ち着きを取り戻し、毎日のトレーニングは欠かさずに続けていると言う。

 話題は、2連覇で5度目の優勝を飾った昨シーズンのウインブルドン選手権へ。ジョコビッチは、2度のマッチポイントを握られながらフルセットで制したロジャー・フェデラーとの決勝について、「あの試合は、自分にとって6時間に及んだ2012年全豪オープン決勝のナダル戦と並ぶベストマッチだ」とコメントした。

「技術面ではロジャーが上回っていた。最初から最後のポイントまでロジャーのクオリティはベストだった。僕は大事な場面で良いプレーをしたと思う。3度のタイブレークで1ショットもミスをしなかったからね。最高のパフォーマンスができた試合だよ。あのような試合を経験できるのは、キャリアを通じて1度か2度だけなんだ。栄誉ある大舞台、ウインブルドンのセンターコートでの決勝、そこでロジャーのような最高に素晴らしい選手と対戦できたことに感謝している」と名勝負を振り返った。
 
 メンタルの強さに定評があるジョコビッチ。だが、順調に見えるキャリアの中で忘れられない試合があると言い、驚きの告白をしている。「2010年全仏オープン準々決勝でユルゲン・メルツァーに敗れた時は、精神的に厳しいものがあった。かなり泣いたんだ」と言う。第3シードで出場していたジョコビッチは第22シードのメルツァー相手に2セットを先取するも、6-3、6-2、2-6、6-7、4-6で逆転負けに終わった試合だ。

 ジョコビッチは、「自分の人生、そしてキャリアの中でいろいろなことが重なり、ネガティブになっている時期だった。テニスを続ける理由が見つからず、なにもかもが悲観的に思えてテニスをやめてしまいたかった」と語り、意外にも引退を考えた時期があったことを明かした。