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海外テニス

50歳を迎えた元美女テニスプレーヤー、サバチーニが自身のキャリアを振り返り、今興味のある選手について語る【女子テニス】

東真奈美

2020.05.22

今年のアルゼンチンオープンの表彰式に登場したサバチーニ。(C)Getty Images

今年のアルゼンチンオープンの表彰式に登場したサバチーニ。(C)Getty Images

 時代を超え、世代を超え楽しまれてきたテニス。今日のテニス文化を支え盛り上げてきたのは歴代の名プレーヤー、テニスレジェンドたちの力だと言っても過言ではないだろう。今年50歳になったガブリエラ・サバチーニもその1人だ。

 アルゼンチン出身の彼女は、1985年に14歳でプロデビューし、同年の全仏オープンで15歳にして準決勝に進出しクリス・エバートと対戦している。1990年全米オープンでは、ステフィ・グラフに勝利して優勝を果たした。

 親しみやすい人柄とそのエキゾチィックな美貌(現役選手時代はファッションモデルとしても活躍)、女子選手には珍しい片手バックハンドで、幅広く人気を集めていた。1996年の現役引退時には、WTAツアー選手権でサバチーニと伊達公子2人のために引退セレモニーが開かれている。

 今なおその人気は衰えることはなく、先月行なわれた全米オープンのブラケット・オブ・チャンピオン(ツイッターやインスタなどを使って行なわれたトーナメント形式の人気投票)で他のレジェンドたちを抑えて見事優勝。今回、そのサバチーニの50歳という節目の年にWTA(女子テニス協会)公式サイトが、彼女にインタビューをした。
 
「全米オープンのバーチャルブランケットでの結果にはとても驚いたわ。偉大なプレーヤーが大勢いる中、これほど多くの人々が私を覚えていてくれて、私に投票してくれるなんて夢にも思っていなかったので最高に光栄だわ」と、感想を語った。

 サバチーニは続いて、自身のプロになった経緯をWTAのインタビューで振り返り伝えた。「自分がプロになったのは至極自然なことだったわ。初めてテニスをした日にすぐに夢中になった。8歳でトーナメントに初出場した時にも決勝まで行った。いつプロへ転向するかとか考える必要もなかった。いつの間にかプロになっていた。とても自然な流れだったの」

 もちろん、彼女にも超えなければいけない試練は少なからずあったようだ。それが13歳で初めて行った海外遠征。当時同じコーチに師事していた4歳年上のメルセデス・パスとの2人だけの遠征だった。陸間は列車で移動し、その途中で乗り継ぎを間違えてしまった。当然、全ての荷物も自分たちで運んでいる。その時、サバチーニは耳が感染症になり、メルセデスは所持金を全てなくした。

 それでも彼女は、「コートの外での私たちは、悲惨だったわ。でも、テニスをしている間、コートの中では最高に幸せだったの。(困難や面倒と思えることは)全て忘れるくらいゲームは楽しかった」という。彼女はこの遠征を「大人になる旅だった」と話した。コートの中でも外でもより自立できるようになったと自覚できる体験だったようだ。
 

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