ネット付近で打つため、ポイントに直結することが多い「ボレー」。特にダブルスにおいては、勝利を導くカギとなるショットである。そこでミドルボレーの基本を石田洋平プロに教えてもらった。前回の考え方とグリップに続いて、構えとスイングについて解説してもらったので、特に初級者やボレーに苦手意識のある人は、しっかりと確認してほしい。
ボレーは構え方によって、相手のボールに対する反応速度が違ってくる。基本となるのは「パワーポジション」。つま先寄りに体重をかけて、少しヒザを曲げて構える形のこと。この形を作れているか、確認しよう。
「ボレーが苦手な人は、構えている時にカカト体重になっている場合が少なくありません。これだと足を前に踏み込みにくくなるので、反応が遅れがちになります。また、身体が後傾することでラケット面が上向きになり、ボールを浮かせてしまいます。とはいえ、逆に前傾しすぎると、今度は面が下を向いてしまい、ネットミスが多くなるので、気を付けましょう。
『パワーポジション』を作る際には、スタンスも意識してください。この時にスタンスが狭すぎると、歩幅が小さくなって機動力が落ちます。しかし広すぎてもどっしりと落ち着いてしまい、初動が遅れます。スタンスは、肩幅よりもやや広めにするとよいでしょう」
正しいパワーポジションを理解したら、次は打ち方について。「ボレーは振るな」と言われたことはないだろうか? その真意を知ろう。
「ボレーは振るなと言われますが、ラケットを打点にセットしたまま当てるだけでは、ボールは飛ばせません。ボレーにも、スイングが必要です。ボレーのテイクバックでは、ボディターンを意識し、飛んで来たサイド側に、身体を軽くひねりましょう。
『振るな』と言われるのは、腕を引いてしまうからです。ラケットヘッドが弧を描き、インパクトが安定しにくくなるばかりか、動作が大きくなり次の対応にも間に合わなくなってしまいます。
どれくらいのスイングが必要かは、相手ボールの勢いや、自分のポジションなどにもよるため一概には言えませんが、レベルが上がってパワーを与える場合は、身体のひねり戻しと、下半身による足の踏み込みを使います。上半身のスイングはコンパクトなままだから、インパクトが安定し、次の対応にも後れを取りません。パワーを与えたいからといって腕を振ると、身体が後ろに残ってしまう腰の引けた打ち方なるので注意してください」
コンパクトではあっても、スイングはする必要があるということを理解できただろうか。ただし、パワーを出したくて大振りするのはNG。パワーは身体のひねり戻しと足の踏み込みで出そう。次回は打点と球種について解説してもらう。
解説=石田洋平(小松屋)
オーストラリアのプロコーチ資格を持ち、国内で選手として全日本選手権の単複に出
場をするなど活躍後、コーチに。軽井沢国際トーナメント5連覇他、数多くの優勝経
験を誇る。わかりやすい言葉を使ったレッスンは「すぐうまくなれる」と評判が高い。
構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2019年9月号から抜粋・再編集
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ボレーは構え方によって、相手のボールに対する反応速度が違ってくる。基本となるのは「パワーポジション」。つま先寄りに体重をかけて、少しヒザを曲げて構える形のこと。この形を作れているか、確認しよう。
「ボレーが苦手な人は、構えている時にカカト体重になっている場合が少なくありません。これだと足を前に踏み込みにくくなるので、反応が遅れがちになります。また、身体が後傾することでラケット面が上向きになり、ボールを浮かせてしまいます。とはいえ、逆に前傾しすぎると、今度は面が下を向いてしまい、ネットミスが多くなるので、気を付けましょう。
『パワーポジション』を作る際には、スタンスも意識してください。この時にスタンスが狭すぎると、歩幅が小さくなって機動力が落ちます。しかし広すぎてもどっしりと落ち着いてしまい、初動が遅れます。スタンスは、肩幅よりもやや広めにするとよいでしょう」
正しいパワーポジションを理解したら、次は打ち方について。「ボレーは振るな」と言われたことはないだろうか? その真意を知ろう。
「ボレーは振るなと言われますが、ラケットを打点にセットしたまま当てるだけでは、ボールは飛ばせません。ボレーにも、スイングが必要です。ボレーのテイクバックでは、ボディターンを意識し、飛んで来たサイド側に、身体を軽くひねりましょう。
『振るな』と言われるのは、腕を引いてしまうからです。ラケットヘッドが弧を描き、インパクトが安定しにくくなるばかりか、動作が大きくなり次の対応にも間に合わなくなってしまいます。
どれくらいのスイングが必要かは、相手ボールの勢いや、自分のポジションなどにもよるため一概には言えませんが、レベルが上がってパワーを与える場合は、身体のひねり戻しと、下半身による足の踏み込みを使います。上半身のスイングはコンパクトなままだから、インパクトが安定し、次の対応にも後れを取りません。パワーを与えたいからといって腕を振ると、身体が後ろに残ってしまう腰の引けた打ち方なるので注意してください」
コンパクトではあっても、スイングはする必要があるということを理解できただろうか。ただし、パワーを出したくて大振りするのはNG。パワーは身体のひねり戻しと足の踏み込みで出そう。次回は打点と球種について解説してもらう。
解説=石田洋平(小松屋)
オーストラリアのプロコーチ資格を持ち、国内で選手として全日本選手権の単複に出
場をするなど活躍後、コーチに。軽井沢国際トーナメント5連覇他、数多くの優勝経
験を誇る。わかりやすい言葉を使ったレッスンは「すぐうまくなれる」と評判が高い。
構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2019年9月号から抜粋・再編集
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