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【テニスギア講座】「吸汗速乾」は当たり前! 日々進化する高性能テニスウェアで、夏のテニスを快適に!

松尾高司

2020.08.19

トップ選手のパフォーマンスを十分に発揮させるため、ウェアメーカーは動きやすく、ストレスを与えず、常に快適なゲームシャツを開発して提供する。(C)Getty Images

トップ選手のパフォーマンスを十分に発揮させるため、ウェアメーカーは動きやすく、ストレスを与えず、常に快適なゲームシャツを開発して提供する。(C)Getty Images

 空前のテニスブームだった1980年代、テニスウェアはポロシャツスタイルが常識でした。「綿100%&カノコ(鹿の子)織り」が定番スペックで、もちろん質感のあるしっかりとした襟付き。綿100&鹿の子は柔らかい風合いで、着心地がよく、いかにも上質な雰囲気でした。

 しかし、洗濯を繰り返すと、綿繊維が少しずつ毛羽立ち、生地の色も薄れてくる……「耐久性」はそれなりだったのです。また、プレー中は汗をたっぷり含んで、生地が重くなり、肌にまとわりついて、動きにくささえ感じる場面もありました。

 そこで登場したのが、ナイロンやポリエステルなどの化学繊維を採用したテニスウェアです。化学繊維は当初、綿に「混紡素材」として使われ、「綿50%・ポリエステル50%」など、価格を抑えた二級品扱いでしたが、繊維自体や織り技術の進化によって、化学繊維による生地は飛躍的な進歩を遂げます。

 ポリエステル混紡が重宝されたのは、着崩れしにくい形態安定性と丈夫さ。そしてコスト上のメリットでしたが、肌触りは綿100%よりも快適ではありませんでした。ところが、いまや化学繊維100%が主流です。
 
 今では一般カジュアルでも「吸汗速乾」「ドライ機能」という言葉をよく聞きますが、この機能を最初に取り入れたのはスポーツウェア……特にテニスウェアは、その先駆けでした。

 綿100%生地は、肌に湧き上がる汗を吸い上げることはできましたが、吸ったまま生地に溜めてしまいます。一方ポリエステル生地は丈夫なおかげで軽量に仕上がりますが、水分を吸い込まない性質のため、繊維内に溜めることもできず、肌と生地の間に汗が溜まり、肌にピタッと貼り付いてしまいます。

 これを解消するために技術が進歩を始めます。まず、生地に「汗を吸い上げる」機能を持たせました。利用されたのは「毛細管現象」です。生地の織り方の工夫によって毛細管現象を起こさせて、肌の上に溜まる汗を、生地に吸い上げます。繊維の太さや織り方を2段階・3段階にすることで、毛細管現象を繰り返し発生させ、肌側にあった汗を、生地の外側に運ぶ……というのが「吸汗機能」です。
 

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