セルジ・ブルゲラが連覇した翌年、1995年の全仏オープンを制したのがトーマス・ムスターだ。オーストリアという小国から時として偉大な選手が現れるが、ムスターもその1人。そして、一時代を築いたムスターを子どもの頃のアイドルとして育ったのがドミニク・ティームだ。日本で言えば、松岡修造と錦織圭の関係に似ていなくもない。
ムスターもブルゲラと同様に、回転量の多いトップスピンで男子テニス界を席巻したが、拾って拾ってチャンスを待ち、甘いボールが来たら一転してポジションを上げて叩くという点で、ブルゲラよりもプレーの幅は広かった。
また、左利きだったこともあり、サービスゲームの有利性がブルゲラの上をいっていた。ムスターがハードコートの全豪でも2度ベスト4入りを果たし、ATPランキング1位にまで上り詰めた理由はここにある。
この連続写真は、ベースライン後方に下がってつないだフォアハンドのトップスピン。身体を大きく後傾させ、ボールを引きつけてアッパースイングしているが(3~7コマ目)、打球後は割と前方にフォロースルーしており(8コマ目)、攻撃的な要素も見て取れる。
また、彼のもう1つの大きな武器は、そのガッツ。89年のマイアミ大会、準決勝勝利後に酔っぱらい運転の車にはねられ左ヒザに大ケガを負う「マイアミの悲劇」に遭いながら、懸命のリハビリで復活。翌年には早くもツアー3勝を挙げるなど、その類まれな精神力はコート上でも大いに発揮された。
【プロフィール】トーマス・ムスター/Thomas Muster(AUT)
1967年生まれ。ATPランキング最高位1位(96年2月)。グランドスラム通算1勝(RG:95年)。強力なトップスピンを得意としたグラウンドストローカーで、特にクレーコートで抜群の強さを発揮した。89年全豪で初のGSベスト4に進出するが、同年3月の大会で車にはねられ左ヒザを負傷。半年以上のブランクを余儀なくされたが90年に復帰し、全仏で2度目のベスト4入りを果たす。95年全仏ではオーストリア人初となるGS優勝を飾った。
編集協力●井山夏生 構成●スマッシュ編集部
【PHOTO随時更新】ムスターをはじめ、サンプラス、アガシらレジェンドの希少な分解写真
ムスターもブルゲラと同様に、回転量の多いトップスピンで男子テニス界を席巻したが、拾って拾ってチャンスを待ち、甘いボールが来たら一転してポジションを上げて叩くという点で、ブルゲラよりもプレーの幅は広かった。
また、左利きだったこともあり、サービスゲームの有利性がブルゲラの上をいっていた。ムスターがハードコートの全豪でも2度ベスト4入りを果たし、ATPランキング1位にまで上り詰めた理由はここにある。
この連続写真は、ベースライン後方に下がってつないだフォアハンドのトップスピン。身体を大きく後傾させ、ボールを引きつけてアッパースイングしているが(3~7コマ目)、打球後は割と前方にフォロースルーしており(8コマ目)、攻撃的な要素も見て取れる。
また、彼のもう1つの大きな武器は、そのガッツ。89年のマイアミ大会、準決勝勝利後に酔っぱらい運転の車にはねられ左ヒザに大ケガを負う「マイアミの悲劇」に遭いながら、懸命のリハビリで復活。翌年には早くもツアー3勝を挙げるなど、その類まれな精神力はコート上でも大いに発揮された。
【プロフィール】トーマス・ムスター/Thomas Muster(AUT)
1967年生まれ。ATPランキング最高位1位(96年2月)。グランドスラム通算1勝(RG:95年)。強力なトップスピンを得意としたグラウンドストローカーで、特にクレーコートで抜群の強さを発揮した。89年全豪で初のGSベスト4に進出するが、同年3月の大会で車にはねられ左ヒザを負傷。半年以上のブランクを余儀なくされたが90年に復帰し、全仏で2度目のベスト4入りを果たす。95年全仏ではオーストリア人初となるGS優勝を飾った。
編集協力●井山夏生 構成●スマッシュ編集部
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