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大坂なおみ、2年ぶりの決勝進出!『強敵』41位のブレイディとの激しい打ち合いを制す【全米テニス】

スマッシュ編集部

2020.09.11

安定感抜群のプレーで接戦をものにした大坂。(C)Getty Images

 全米オープンテニス(アメリカ/ニューヨーク)は大会11日目の9月10日(現地時間)、女子シングルス準決勝が行なわれ、第4シードの大坂なおみはアーサー・アッシュ・スタジアムのナイトセッション第1試合に登場。第28シードのジェニファー・ブレイディ(アメリカ)に7ー6(1)、3-6、6-3のフルセットで勝利し、自身3度目のグランドスラム決勝進出を決めた。

 今大会では黒人差別への抗議を込めて、毎試合違う被害者の名前が書かれている黒マスクで入場している大坂。この日のマスクには、2016年に警官に誤って射殺された黒人男性「フィランド・カスティール」さんの名が記されていた。

 ブレイディとは過去1勝1敗の大坂。ここまで、ビッグサービスと強力なフォアハンドを武器に、失セット0で勝ち上がってくるなど好調な相手について、大坂は準々決勝後に「彼女は強敵よ」と警戒感を露わにしていた。

 大坂サービスでスタートした第1セットは、共に攻撃的かつ安定感のあるプレーで、サービスキープが続く展開に。ファーストサービスで95%と、高いポイント獲得率を叩き出す大坂に対し、ブレイディもサービスエースやウィナーを連発するなどで、タイブレークに突入した。

 ここで1本のミニブレークを先行した大坂は、その後も積極的なテニスで相手のミスを引き出し、2本のミニブレークに成功。7-1でタイブレークを制してセットを先取した。ここまでアンフォースドエラー数は、ブレイディの11本に対して大坂はわずか4本と、安定感抜群のプレーを披露した。
 
 第2セットに入っても、ミスの少ないテニスで相手にプレッシャーを与え続ける大坂だったが、第8ゲームでブレイディにワンチャンスを生かされてブレークを献上。そのままセットオールに持ち込まれた。

 そして迎えた第3セット。互いに激しい打ち合いを演じる中、大坂が第4ゲームで迎えた、この試合初めてのブレークポイントを1本でものにすると、その後も見事なパッシングショットや、強烈なフォアハンドウイナーで相手に付け入るスキを与えず。2時間8分で試合に終止符を打った。

 中盤まで互いにブレークポイントを握ることなく、競ったゲームが多い試合ではあったが、全く崩れる気配を見せない大坂のプレーには、どことなく安心感を抱かされた。それは、ツアー中断中に強化したというフィジカルだけでなく、メンタル面でも大きく成長しているという裏付けだろう。

 決勝の相手は、この後試合が行なわれる、第3シードのセレナ・ウィリアムズ(アメリカ)とビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)の勝者。大坂との過去の対戦成績は、どちらの選手も大坂から見て2勝1敗だ(アザレンカとの戦績は、大坂の試合前棄権1回を除く)。

 両者ともに世界ランク1位を経験し、複数のグランドスラムタイトルを持つ、言わずと知れた強豪選手だ。しかし、今の大坂は向かうところ敵なしといった印象。きっと決勝戦でも、彼女らしいアグレッシブなテニスを見せてくれるだろう。グランドスラム3度目の戴冠へ向けて、このまま走り抜けてほしい。

構成●スマッシュ編集部

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