海外テニス

アンドレ・アガシがビッグ3を語る。同じ時代に生きていたら自分は「もう少しでグランドスラムに勝てそうだった選手」

中村光佑

2020.12.05

フェデラー、ナダルと対戦経験があり、ジョコビッチのコーチを務めたこともあるアガシ氏。(C)Getty Images

 インドの英字紙、「ヒンダスタン・タイムズ」紙が主催した「リーダーシップ・サミット」にアメリカテニス界のレジェンド、アンドレ・アガシ氏が出席。その中のインタビューでビッグ3のすごさについて語ったことをテニス系海外メディアの「UBITENNIS」が報じている。

 ロジャ―・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)はそれぞれグランドスラムで20回の優勝、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)は17回の優勝を誇り、ビッグ3が君臨し続けている昨今のテニス界。これらの記録はピート・サンプラス氏が残した14回を大きく超え、今もなおその勢力は衰えることを知らない。

 アガシ氏は「今の時代に自分のキャリアのピークが来なかったことに感謝しながら毎日目を覚ましているよ。もし今まだプレーを続けていたら『もう少しでグランドスラムに勝てそうだった』と何回も言っているだろうね」と冗談を交えて3人を称えた。

「彼ら全員(ビッグ3)が同じ時代にプレーしているのは驚くべきことだ。彼らは本当にスポーツ界が今まで目にしたことがない功績を収めてきたし、この状況はもう少し長く続くだろう」と自身の見解を示している。
 
 アガシ氏はフェデラー、ナダルと対戦した経験を持つ。ナダルには2005年のカナダ・オープン決勝と2006年のウインブルドン3回戦で敗れており、フェデラーに対しても2003年のマスターズ・カップ決勝、2005年の全米オープン決勝を含む過去11回の対戦で3勝8敗と大きく負け越した。

 現役時代に対戦経験のなかったジョコビッチについては「彼はどのようなサーフェスでもいいプレーができ、いつでも優勝候補になれる。この世代の中では注目すべき人物だと主張したい」と述べたが、ビッグ3の中で最も偉大なプレーヤーを問われると、「それぞれに特徴がある」とし、明言を避けた。

 アガシ氏の言葉とは裏腹に、近年はダニール・メドベージェフ(ロシア)やステファノス・チチパス(ギリシャ)などをはじめ、若手のプレーヤーの台頭も徐々に目立ってきている。勢いのある若手に対し、ビッグ3がどのような戦いを見せるのか、来シーズンも目が離せない。

文●中村光佑

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【動画】アガシ対ナダル、2005年カナダ・モントリオール決勝ハイライト