国内テニス

ダニエル太郎、悔しい敗戦も「こういう大会で勝てることを実感」と、ツアー優勝経験者としての自信を取り戻す

金元雄太(スマッシュ編集部)

2019.10.05

互いの健闘を称えあう、ダニエル太郎(左)とジョン・ミルマン(右)。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

【楽天ジャパンオープンテニスチャンピオンシップ2019】
シングルス本戦準々決勝/10月4日(金)
J・ミルマン[Q] 6-4 6-0 ダニエル太郎[WC]


「相手がしぶといのはわかっていたけど、どうやってポイントを取ればいいのかがイメージできなかった」。敗戦後の会見で、ダニエル太郎はそう肩を落とした。

 風の舞うセンターコートに、トーナメント最後の日本人選手として登場したダニエル。対戦相手である、世界ランク80位のジョン・ミルマンは、同じ大会に出場すれば、一緒に練習や食事をするほどの仲だという。それゆえのやりにくさがあったのか、今日のダニエルからは2回戦までのようなアグレッシブなプレーは見られなかった。

 先にリードしたのはダニエルだった。リターンで始まった第1ゲーム、立ち上がりでミスの多いミルマンからブレークを奪う。しかし、次第に安定感を増すミルマンのストロークに押され、直後の第2ゲーム、さらには第4ゲームでもブレークされてしまう。バックハンドのダウンザラインを起点に、第9ゲームでブレークを奪い返し4-5とするも、続く自身のサービスゲームでは「少しタイトな感じだった」というフォアハンドでミスを重ね、4-6で第1セットを落とした。
 第2セットは一方的な展開となった。コートの奥深くにコントロールされるミルマンのストロークに対し、ダニエルのポジションはじわじわと下げられていく。吹きすさぶ風の影響からか、思ったように攻められないサービスゲームでは、22本中8本と、わずか36%しかポイントを得られず、挽回の糸口をつかめないままの敗戦となった。

 悔しい敗戦ではあったが、ATP500のカテゴリーでベスト8進出という結果は称賛に価する。ランキングを127位に落とし、チャレンジャー大会を転戦していた今シーズンだが「こういう大会でも勝てることを実感した」と、改めて手応えを得た様子だ。

 オリンピック出場への想いを聞かれた際には「もちろん出たいけど、特に意識はしたくない。できることを続けていって、いつの間にか出られるようになっていればいい」と、なんともダニエルらしい意気込みを語った。


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■10月4日(金)の主な試合結果■
R・オペルカ 6-3 6-3 内山靖崇[Q]
J・ミルマン[Q]  6-4 6-0  ダニエル太郎[WC]
N・ジョコビッチ(1)  6-1 6-2 L・プイユ(5)

D・ゴファン(3) 6-2 6-2 チョン・ヒョン

■10月5日(土)の試合予定■
〇コロシアム
第1試合(1時開始)R・オペルカ vs J・ミルマン[Q]

第2試合(3時以降)N・ジョコビッチ(1)  vs  D・ゴファン[3]
第3試合  N・メクティッチ/F・スクゴール vs  L・プイユ/J-L・ストルフ

〇楽天カードアリーナ(11時開始)
国枝慎吾(1)  vs  ドン・シュンジャン
齋田悟司 vs  S・オールセン(2)
国枝/オールセン vs  ドン/イム
※[WC]=ワイルドカード(主催者推薦枠)、[Q]=予選上がり、カッコはシード

■大会情報■

楽天ジャパンオープン
9月30日~10月6日(本戦)
10月4日~6日(車いすテニス)

会場・有明コロシアム及び有明テニスの森公園
 

取材・文● 金元雄太(スマッシュ編集部)