海外テニス

大坂なおみ、次戦はツアー初対戦のジャブ―ル。得意の“データ照合能力”でトリッキーな相手を攻略できるか?

内田暁

2021.02.11

2回戦で元世界4位を相手に貫禄のプレーを見せた大坂。(C)Getty Images

 初めて、もしくは久々にラケットを交える選手との一戦は、それが誰だろうと難しいものだろう。
 ましてや相手が、自分がかつて敬意や憧れを抱いた存在なら、なおのことだ。

 元世界4位のキャロライン・ガルシアは、5年前に行なわれた若手プロモート用エキジビション"ライジング・スター"で、唯一の対戦経験がある選手だ。当時世界ランキング200位前後だった大坂にとり、既に35位に達していたガルシアは、「私が彼女と同じ大会に出ていいの?」と気後れを覚えたほどの若きトッププレーヤー。

 今回の全豪オープン2回戦で、その時以来の対戦を迎えるにあたり、大坂は「タフな相手」との警戒心を色濃くしていた。
 
 5年前の唯一の対戦の記憶が、試合立ち上がりの大坂を、やや慎重にさせただろうか。まずは相手の出方を伺うように、数ゲームは慎重に打ち合った。

 だが、2度のデュースを重ねてキープした第3ゲームを終えた時、相手の分析は終わったとばかりにギアチェンジする。直後のゲームをブレークすると、主導権を手にしたまま第1セット奪取。

 第2セットはサービスの威力と精度を一層高め、エースやサービスウイナーを次々と連ねていく。最後も時速181kmのエースをコーナーに叩きこみ、6-2、6-3の快勝を手にした。

 準決勝で棄権した前哨戦も含め、この全豪オープンシリーズで大坂が幾度も口にしてきた勝利の鍵が、「相手を分析する能力」、そして「チームとのコミュニケーション」だ。