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大坂なおみが明かすセレナ戦の勝因。「ムラがなくなった」メンタルの充実に本人も手応え【全豪オープン】〈SMASH〉

中村光佑

2021.02.18

尊敬するセレナを破った大坂。「以前ほどメンタルにムラがなくなった」ため、劣勢にも動じなくなった。(C)Getty Images

 「全豪オープンテニス」(オーストラリア/メルボルン)の女子シングルス準決勝で世界11位のセレナ・ウィリアムズ(アメリカ)を破り、2年ぶり2度目の決勝進出を果たした第3シードの大坂なおみが、試合後の記者会見で熱戦を振り返った。

 大坂は序盤からファーストサービスの不調が続き、ストローク戦でもポイントを落とす場面が多く見られたが、ゲームを追うごとに修正。徐々に大坂がラリーの主導権を握り、試合を通じて4度のブレークに成功した。勝負どころでも冷静さを保っていた大坂が見事なストレート勝利で2度目の全豪制覇を大きく近づいた。

 会見で大坂は「第1セットの第1ゲームからファーストサーブが本当に入らなくて、少しナーバスになっていた。それに彼女(セレナ)が何をしてくるのかがわからなくて、結果的に自分がアンフォーストエラーを出しすぎていた」と試合中に一抹の不安を抱えていたことを明かした。

 それでも大坂は、「これまでの経験が自分を救ってくれたことは確かに大きいと思う。特にムグルサとの試合(4回戦)を切り抜けられたことが自分の助けになった」とした上で、「(第2セット第8ゲームで)ブレークされた時に『それはそれで仕方がない』と切り替えられた。とにかく1ポイント1ポイントできる限りのことをやっていこうと考えることができた」と勝因を語っている。
 
 また、自身で成長を感じている部分について問われると「精神的な面かな。前までは勝つことにこだわりすぎていて、気持ちもアップダウンが激しかった。でもコロナのパンデミックで世界が混乱しているのを見た時、様々な見解を持つようになったし、以前ほどメンタルにムラがなくなったと思う」と回答。心の成長がパフォーマンスにも良い影響を与えているようだ。

 20日に行なわれる決勝で対戦するのは第22シードのジェニファー・ブレイディ(アメリカ)。ブレイディとは昨年の全米オープン準決勝で対戦しており、その時は大坂がフルセットの末に勝利しているが、危険な相手であることは間違いない。だが、今の大坂はあの時よりさらに強さを増している。通算4度目のグランドスラム制覇へ向かって、再び素晴らしいプレーを見せてくれることを期待したい。

文●中村光佑

【PHOTO】2度目の全豪オープン制覇へ!メルボルンで躍動する大坂なおみ!
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【画像】大坂なおみがセレナを圧倒した全豪OP準決勝ハイライト!

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