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海外テニス

大会の裏方、ストリンガーも奮闘!完全隔離選手の工夫、大坂なおみのセッティングは?【全豪オープン/現地発レポート】〈SMASH〉

内田暁

2021.02.21

大坂なおみのストリングを張るトーマス・スティルウェル氏。写真:内田暁

大坂なおみのストリングを張るトーマス・スティルウェル氏。写真:内田暁

 渡航者の人数規制や、入国後の2週間隔離を徹底した今年の全豪オープンテニスでは、選手たちもそれぞれ異なる環境下で、ベストパフォーマンスを出そうと創意工夫を凝らしていた。そのような“チャレンジ”に直面していたのは、大会を支えるスタッフたちも同様である。

 特に、選手のパフォーマンスを直接的に左右しかねない“ストリンガー”は、多大なる重圧と責任感を双肩に背負い、ラケットの面を編み続けていた。全豪オープンの公式ストリンガーは、今年もヨネックスが務めた。同社がそのポジションに初めてついたのが、2016年。以降、20~30人からなるほぼ同じ顔ぶれのチームで、同会場の一室でストリングを張り続けてきた。

 だが今年は、「海外からのストリンガーは10人まで」と定められたため、例年のチームを組むことは叶わず。そうでなくともストリンガーの多くは、自身のショップや事業を経営している。隔離の2週間を含めた5週間も、各々の拠点を離れることは難しかった。そのため今大会では、現地ストリンガーを複数採用することに。初顔合わせとなるメンバーも多い中で、手探りのスタートとなった。
 
 実際にストリンガーチームの活動は、「初顔合わせ」の遥か前に始まる。隔離ホテルに滞在する2週間も、練習する選手たちのためラケットを張っていくからだ。
 
 チーム最古参の一人であるトーマス・スティルウェル氏は、ドーハで行なわれた男子予選でもストリンガーをつとめ、そのままメルボルン入りした。

「3人のストリンガーで大部屋をシェアし、マシンをセットして仕事をしていました。テニスオーストラリアのスタッフが選手のラケットをピックアップし、それを僕らの部屋の扉の前に置いていく。僕たちが徹底すべきは、マスクの着用。そして何より消毒。ラケットを貼る前、貼り終わった後、それぞれラケットとマシンも消毒しました」

 お陰で手がカサカサですよ……と、ストリンガー歴13年のステイウェル氏は苦笑いをこぼす。消毒などの行程が必要なため、1本を張り上るのに時間が掛かることも、常に頭に入れ作業を進める必要があった。

 隔離中の2週間、選手からの要望でステイウェル氏が気がついたのは、通常よりも1キロ(約2ポンド)ほど強く張って欲しいというものだ。ストリンガーは部屋に籠もっているので、外界の気候や気温は良くわからない。だがそれらの要望の傾向から、「かなり暑いんだな」との予測がついた。

 それら個々人が得た情報や気づきは、グループチャットを作り、チーム全員で共有した。やがてそこに、ラケットを運ぶテニスオーストラリアのスタッフらも加わり、グループの輪はどんどん広がっていく。
 

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