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海外テニス

大坂なおみとブレイディ、異なる道を歩んだ“旧知の友”が決勝で邂逅【全豪オープン/現地発リポート】〈SMASH〉

内田暁

2021.02.20

4度目のグランドスラム決勝を前に、練習に励む大坂なおみ。その経験が有利となるか否か、「色んな可能性が考えられる」と言う。(C)Getty Images

4度目のグランドスラム決勝を前に、練習に励む大坂なおみ。その経験が有利となるか否か、「色んな可能性が考えられる」と言う。(C)Getty Images

「彼女は、試合前にものすごくワクワクしていたよ。僕の子どもは、おもちゃ屋に連れていくとものすごく興奮するんだけれど、セレナ戦に向かうなおみは、まさにそんな感じで興奮していたんだ」

 かつて大坂に「プロフェッサー」と呼ばれたコーチのウィム・フィセッテは、そう言い優しく相好を崩した。

“永遠のアイドル”であるセレナ・ウィリアムズを間近に見ることは、今でも「非現実的」だと大坂は言う。フィセッテの例えに倣うなら、そのセレナと対戦することは、彼女にとっておもちゃ屋に行くどころか、おもちゃの世界に入り込むようなものだろう。

 同時に大坂はセレナ戦に挑むにあたり、「とても緊張したし、恐れてもいた」とも明かしている。

 この「恐れ」と「ワクワク」は共存しうるものかと尋ねると、数々のトップ選手と時間を共有してきた若き名コーチは、「そう思う」と即答した。
「偉大なチャンピオンと同じコートに立てることに、そしてそのチャンピオンを破る機会を与えられたことに興奮し、同時に、光栄に思うものなんだ」
 
 興奮がポジティブな精神状態を生み、恐れが冷静な判断力へとつながる。相反する2つの要素が連携を取りながら舵取りし、大坂の心技体の針をピタリと勝利に定めていた。

 多くの有効な情報やデータを選手に与えることで有名なフィセッテだが、彼が大坂の能力のうち最も高く評価するのが、「自分で考え分析する力」でもある。特にサービスに関しては、ほぼ全てを彼女の「感覚」に委ねるという。

 大坂自身は、セレナ戦のサービスについて「全然満足していない。ダブルフォールトが多すぎたし、ファーストの確率も低かったし……」と反省点ばかりが口をついたが、ここぞという局面ではエースやサービスウイナーを連発し、特に試合が終盤に近づくにつれ、セレナにコースも読ませなかった。

「セレナ戦でのなおみは、とてもスマートにサービスを打っていた。特に試合の中で、セレナのフォアハンドのリターンミスが多いことを見抜き、最後のゲームではフォアハンドに多くのサービスを打った」というのが、コーチ評。
 

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