現在、プロとして活躍している選手も、現役を引退してコーチをしている人も、小さい頃には憧れのプロがいたはずだ。【プロが憧れたプロ】シリーズの第19回は、今もATPカップ日本代表を務めるなど、衰えを見せないベテラン、松井俊英プロだ。
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現代テニスにおいて"絶滅危惧種"とも言えるサーブ&ボレーヤーだが、日本には長くそれを貫き続けているプロがいる。ダブルスで国内ランク2位、世界225位の松井俊英は、43歳にして第一線で活躍する生粋のサーブ&ボレーヤーだ。ダブルス中心の活動だが、シングルスでもATPポイントを所持し、現役最年長ランカーとして知られる。
そんな松井が小学生の頃に憧れたのは、案の定というべきか、ボリス・ベッカーだ。「ド迫力のサーブにボレー、片手バックのパワフルさとか、カッコいいなぁと。彼の場合、ミスしてもカッコいいんですよ」と松井は少年に戻ったように目を輝かせる。
松井の小~中学生時代、テニス界はサーブ&ボレー全盛で、他にも魅力的なプレーヤーは数多くいた。「サンプラスも好きだったけど、淡々としすぎていたし、エドバーグはどこかお上品。その点、ベッカーはワイルドで、威圧感があり、プロって感じがしました」
松井にベッカーのどんなプレーに惹かれたのかを聞くと、次々と口をついて出てくる。
「跳ばなくてもいいのにダイビングボレーしたり、チャンを相手にあえてストローク戦で打ち勝とうと余裕かましたり、ダブルファースト打ったり……。せこくポイントを取りにいかないから、ミスっても見応えがあるんです」
どうやら松井がベッカーに憧れたのは、サーブ&ボレーヤーだからというだけではないようだ。その大胆不敵なプレーぶりが最大の魅力であり、それはどこか松井のプレーにも通じるものがあるように感じる。
「ああいうキャラクターの選手は年々、減ってますね。今だとシャポバロフとかキリオス、フォニーニあたりでしょうか。昔の方がもっと色々いて、面白かった」
だったら、松井自身にもうしばらく頑張ってもらうしかない。そうして20世紀の華やかなりしテニスの名残を今に伝え続けてほしい。
取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)
【PHOTO】松井俊英プロが憧れたベッカーのサービス分解写真
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現代テニスにおいて"絶滅危惧種"とも言えるサーブ&ボレーヤーだが、日本には長くそれを貫き続けているプロがいる。ダブルスで国内ランク2位、世界225位の松井俊英は、43歳にして第一線で活躍する生粋のサーブ&ボレーヤーだ。ダブルス中心の活動だが、シングルスでもATPポイントを所持し、現役最年長ランカーとして知られる。
そんな松井が小学生の頃に憧れたのは、案の定というべきか、ボリス・ベッカーだ。「ド迫力のサーブにボレー、片手バックのパワフルさとか、カッコいいなぁと。彼の場合、ミスしてもカッコいいんですよ」と松井は少年に戻ったように目を輝かせる。
松井の小~中学生時代、テニス界はサーブ&ボレー全盛で、他にも魅力的なプレーヤーは数多くいた。「サンプラスも好きだったけど、淡々としすぎていたし、エドバーグはどこかお上品。その点、ベッカーはワイルドで、威圧感があり、プロって感じがしました」
松井にベッカーのどんなプレーに惹かれたのかを聞くと、次々と口をついて出てくる。
「跳ばなくてもいいのにダイビングボレーしたり、チャンを相手にあえてストローク戦で打ち勝とうと余裕かましたり、ダブルファースト打ったり……。せこくポイントを取りにいかないから、ミスっても見応えがあるんです」
どうやら松井がベッカーに憧れたのは、サーブ&ボレーヤーだからというだけではないようだ。その大胆不敵なプレーぶりが最大の魅力であり、それはどこか松井のプレーにも通じるものがあるように感じる。
「ああいうキャラクターの選手は年々、減ってますね。今だとシャポバロフとかキリオス、フォニーニあたりでしょうか。昔の方がもっと色々いて、面白かった」
だったら、松井自身にもうしばらく頑張ってもらうしかない。そうして20世紀の華やかなりしテニスの名残を今に伝え続けてほしい。
取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)
【PHOTO】松井俊英プロが憧れたベッカーのサービス分解写真