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「ラファは疲れ果てて終わった」ナダルが“精神的疲労“でウインブルドンと東京五輪を欠場。コーチのモヤが明かす<SMASH>

スマッシュ編集部

2021.06.22

現状では8月まで1か月以上に渡り休養する予定のナダル。(C)Getty Images

 ウインブルドンと東京オリンピックの欠場を発表した、世界ランク3位のラファエル・ナダル(スペイン)だが、コーチを務めるカルロス・モヤ氏によると、この休養はメンタル面での疲労を回復するためだという。

 ナダルは自身の公式ツイッターで、「自分の身体の声に耳を傾け、チームと相談した結果、これが正しい決断だと判断しました」として両大会の欠場を表明。さらに先の全仏オープンとウインブルドンまでの期間がわずか2週間しかなかったことも挙げて、「過酷なクレーシーズンを終えた後の回復は容易ではありませんでした。私の決断は中長期的な視点に立ったもので、身体の不調を防ぐことは、最高のレベルで戦い続けるために重要な要素です」と綴っていた。

 スペインメディア『RTVE』にインタビューに答えたモヤ氏は、「クレーコートツアーは非常にタフで肉体的にも精神的にもプレッシャーが大きかった。ラファは疲れ果てて終わったんだ」とし、加えて「彼は十分な休息を取るつもりだ。ツアーはマラソンのような、難しい決断を下さなければならない長距離レースで、十分な強さを取り戻すには休むことが最善だと考えている」と明かした。
 
 今季のクレーシーズンで、バルセロナとローマで2タイトルを獲得したナダルだが、大本命の全仏オープンでは、準決勝でノバク・ジョコビッチ(セルビア/1位)に屈辱的な敗戦を喫し、史上最多記録を更新する14度目の優勝を逃した。

 2016年からナダルのコーチを務めるモヤ氏は、ナダルの現在の状況が「精神的疲労」に悩まされた2019年に似ていると指摘。同年は全仏オープンで優勝し、ウインブルドンではベスト4に進出したが、「2年前のラファは、抜け出すのも大変なほどの大きな精神的疲労を抱えていた。今は再びそれに近づいていると思う。彼にはグランドスラムで戦う余裕はない」と説明している。

 ナダルは今後のスケジュールとして、シーズン後半のロジャース・カップ(8月9日~15日/カナダ・トロント/ハードコート/ATP1000)とウェスタン&サザン・オープン(8月15日~22日/アメリカ・シンシナティ/ハードコート/ATP1000)への出場を予定している。

構成●スマッシュ編集部

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