海外テニス

「五輪の炎が消えた」大坂なおみの早すぎる敗退に欧州各国メディアも驚き「日本はアイコンを失った」

THE DIGEST編集部

2021.07.28

まさかのストレート負けに大坂は肩を落とした。(C)Getty Images

 優勝候補のまさかの敗退が、世界中に衝撃を与えている。

 東京五輪女子テニスシングルスは7月27日に3回戦が行なわれ、世界ランク2位の大坂なおみ(日清食品)は、チェコのマルケタ・ボンドルソワに0−2のストレートで敗れた。

 序盤から苦戦を強いられた。世界ランクは42位ながら、全仏オープンで準優勝の経験もある実力者ボンドルソワに、第1ゲームでいきなりブレークを許す。その後も相手のドロップショットに対応できず、4ゲームを連取され、1−6で第1セットを落とした。第2セットはこの試合初めてのブレークに成功し、サービスエースを決めるなど反撃を見せるも、「初めての五輪で重圧を感じた」と本人も語る中で大坂のミスショットも目立ち、流れを戻すことができず。4−6で第2セットも奪われ、悔しい敗戦となった。

 今年2月の全豪オープンを含め、グランドスラム通算4勝を誇る大坂は、もちろん自国開催の五輪での金メダル本命候補だった。それだけにベスト16での敗退は、欧州メディアも驚きとともに報じている。
 
 スポーツ専門サイト『EUROSPORT』は、「特大の下克上」と伝え、「的確なボンドルソワに対して、オオサカは集中力に欠けていた。このチェコ人のバックハンドのリターンは、ホームの優勝候補にあらゆる面で問題を引き起こした。オオサカは自分のサービスゲームで、プレッシャーに直面し続けた。特に彼女のセカンドサーブに対して、ボンドルソワはほとんど問題を感じていなかった」と試合を振り返った。

 フランスのスポーツ紙『L’EQUIPE』は「聖火を灯した4日後、オオサカは涙を浮かべてスタジアムを去った。五輪の炎は消えた」と記し、ある種日本代表のシンボルだった大坂の敗退を象徴的に伝えている。

 イギリスの放送局『BBC』にとっても、唐突な敗退は予想外だったようだ。「日本のスーパースターは、母国で驚きの敗退をくらった。オオサカは、日本の首都での大会の顔の一人だった。初めの2戦は印象的に勝利し、金メダルに向けてうまく調整できているように見えていた。しかし、彼女は錆びついたパフォーマンスの中で、32個のアンフォースト・エラーを喫した」。

 スペインのスポーツ紙『as』も「日本はアイコンを失った」と綴り、大坂の敗退が持つインパクトの大きさを伝えている。

 2018年の全米オープン以降、うつ病に悩まされていたことを先日公表し、ツアーから離脱していた大坂。東京五輪がおよそ2か月ぶりとなる復帰戦だった。「悔しいけど、出られてよかった」と本人も口にしていたが、この大舞台での経験をどうにか前向きに捉え、次に繋げたいところだ。

構成●THE DIGEST編集部

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