海外テニス

テレビカメラに激突のメドベージェフ「手が折れそうになった!」と怒り心頭。対ルブレフ初黒星で踏んだり蹴ったり<SMASH>

中村光佑

2021.08.22

ボールを追ってテレビカメラに激突したメドベージェフ。カメラに蹴りを入れたり、審判に噛みついたりと、怒りが収まらなかった。(C)Getty Images

 男子テニスツアーの「ウェスタン&サザン・オープン」(アメリカ:シンシナティ/8月15日~22日/ハード/ATPマスターズ1000)は、現地8月21日にシングルス準決勝を実施。第1シードのダニール・メドベージェフ(ロシア/世界ランク2位)は第4シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア/7位)に6-2、3-6、3-6の逆転で敗れ、決勝進出を逃した。

 ルブレフに過去4勝0敗と相性の良さを見せているメドベージェフはこの試合も序盤から主導権を握り、第1セットを幸先よく先取する。

 ところが、第2セット第3ゲームでルブレフが放ったフォアハンドのショットを追いかける際、コート後方に設置されていた中継カメラに激突。メドベージェフはこのハプニングでポイントを失ったことに苛立ってカメラのレンズに蹴りを入れると、駆け寄った主審からやめるように注意を受けた。
 
 それでも怒りの収まらないメドベージェフは主審に対し、強めの口調で「僕は(今の衝突で)手が折れそうになったんだ!」と繰り返し主張した上で、「カメラをどけてくれ!」と要求。これに主審が「それはできない」と応じると、メドベージェフは「選手のことは気にならないのか」と反論。結果的にこのゲームはルブレフのサービスキープに終わったが、その後もメドベージェフは主審と口論を続け、同時にトレーナーの治療も求めた。

 直後の第4ゲームから立ち直ったメドベージェフだったが、質の高いプレーを見せるルブレフに第8ゲームでブレークを奪われ、セットオールに持ち込まれる。迎えたファイナルセットでも第7ゲームで痛恨のブレークを喫し、2時間22分で力尽きた。

 一方、5度目の対戦にしてメドベージェフから初勝利を挙げ、自身2度目のマスターズ決勝進出を果たしたルブレフは試合後、「彼に対抗できるという自信がついた。まだまだ改善すべき点はたくさんあるけど、今日の勝利は大学に合格して卒業証書をもらうようなものだね」とユニークな表現で喜びを語った。

 勝利したルブレフはマスターズ初優勝を懸け、決勝で第3シードのアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ/5位)と対戦する。

文●中村光佑

【連続写真】相手の攻撃を無力化するメドベージェフのバックハンド『30コマの超分解写真』
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【動画】メドベージェフ対ルブレフ戦のハイライト(カメラ激突シーンは1分30秒頃から)