海外テニス

炎上続くチチパスの遅延行為問題。「相手の気持ちが想像できないのか」「ルール改正が必要」選手たちから賛否噴出<SMASH>

中村光佑

2021.09.03

2回戦のマナリノ戦でも長いトイレットブレークを取ったチチパス(左)。本人は「何も悪いことはしていない」と言うが…。(C)Getty Images

 テニスの四大大会「全米オープン」(8月30日~9月12日/アメリカ・ニューヨーク/ハードコート/グランドスラム)で物議を醸している、ステファノス・チチパス(ギリシャ/世界ランク3位)のトイレットブレーク問題について、男女を問わず選手の間でも議論が巻き起こっている。

 度々チチパスを痛烈に批判してきたアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ/5位)は、3回戦勝利後の記者会見で再び一連の騒動に言及。「もうこの話はしたくない。言いたいことはもう言った」と前置きしながらも、「昨日、彼はまた長いトイレ休憩を取った。彼がそれをやって、完全に硬くなったアドリアン(マナリノ)に6-0で勝ったのを見たが、他の選手たちがどんな気持ちになるか想像できないのだと思う」と依然として遅延行為に及ぶチチパスに怒りが収まらないようだ。

 さらにズべレフは「ATPはいくつかのルールを変更する必要があるだろう」と主張。「セットを取っても、相手が10分もトイレに行っているのを見るのはとても腹立たしい。タフな試合では、わずか6、7分で身体が冷えて硬くなり、それまでのレベルに戻すのは非常に困難だ。これは肉体的な問題だ」ともコメントした。
 
 また、4年前の全米女王であるスローン・スティーブンス(アメリカ/66位)もズべレフ同様に「間違いなくルールの改正が必要だと思う。小さな変更は結構頻繁に行なっている。例えばウォームアップの時間が1分短くなったけど、誰かがトイレに9分間籠っても何も言われない。細かいところで改善すべき点はたくさんある」と現行のルールの変更を要求。

 続けて、チチパスのように女子でも長めのトイレットブレークを取るケースが存在することを踏まえつつ、「例えば汗で濡れたスポーツブラを交換するのは、すごく大変なことよ。あなたは変えたことがないと思うけど、最低でも5分は必要かな。でも仮に6~9分ほど時間をかけていたら、そこで何をしているの? となるし、助けが必要なのかな? とも思ってしまう」と疑問を呈した。
 
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