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海外テニス

パワーかテクニックか…ヒンギスら、かつての天才プレーヤーが考える、現代女子テニスの潮流とは?

内田暁

2019.11.02

大坂、バーティー、ハレップ、アンドレスク。2019年のグランドスラムは、全て異なる優勝者となった。(C)Getty Images

大坂、バーティー、ハレップ、アンドレスク。2019年のグランドスラムは、全て異なる優勝者となった。(C)Getty Images

“若返り”と“多様性”――。

 2019年の女子テニスを象徴するキーワードを探すとすれば、この2つになるだろうか。
 今季のグランドスラム4大会を制したのは、全て異なる選手たち。それ自体は“女王不在”が長くキーワードだった昨今の女子テニスでは、取り立てて珍しいことではない。ただ、今季のそれが過去数年と異なるのは、優勝者たちが若いながらもすでに一定の実績と名声を確立し、そして恐らくはこの先長く、女子テニス界を牽引していくだろうことだ。さらには、4人の女王それぞれが人間性でもプレー面でも個性的で、異なる色彩を放っている点である。
 
 ここで、今季の4人のグランドスラム優勝者を紹介しよう。 
■全豪オープン:大坂なおみ
 優勝当時は21歳で、去る10月に22歳を迎えた。彼女については、もはや説明は不要だろう。高速サービスと強烈なストロークを武器とする、パワーテニスの後継者。アブドゥル・シラーをトレーナーに迎えた昨年からフィジカルも大幅に向上し、オールコートプレーヤーに成長しつつある。
 
■全仏オープン:アシュリー・バーティ 
 幼少期から母国オーストラリアの期待を背負ってきた神童は、その重圧から逃れるように、18歳にしてテニスから離れる。だが約2年後に復帰すると、天才と賞賛された多彩なテクニックを存分に発揮。そこに高い戦術理解が加わって、今季はマイアミ・オープンも制するなど躍進の時を迎えた。
 
■ウインブルドン:シモナ・ハレップ
 既に世界1位や全仏優勝などを成しているハレップだが、彼女がウインブルドンを制すると予想した人は少なかっただろう。だが、「実はシモナのプレーは芝向き」だと見るコーチから「今年の目標はウインブルドンだ」と発破を掛けられ、先入観を排除し芝でも栄冠を勝ち取った。
 
■全米オープン:ビアンカ・アンドレスク
 3月のインディアンウェルズを制し、同年の全米も制したのは、昨年の大坂と同じ足跡。セレナ・ウィリアムズにも打ち負けないパワーの持ち主でもあるが、スライスやロブ、ドロップショットなど多彩なショットを操り、あらゆる状況や対戦相手に適応できる業師/戦略家でもある。
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