「プロになる道筋には、何があるのか? どのような現実があって、僕らが何を見ているのかお知らせしたい」
集った8名のジュニア選手を目の前に、西岡良仁は、真摯な口調で語りはじめた。
西岡が自ら企画し開催する「Yoshi’s Cup」は、国内トップの16歳以下の選手が一堂に会し、雌雄を決するジュニア大会。日本テニス界の未来を担う選手育成を理念に掲げ、大会中は西岡によるセミナーも行なわれる。
開幕前日の11日には、今大会の説明会も兼ね、ツアーの仕組みが西岡の口から選手へと伝えられた。
このセミナーの特性は、現在ツアーのど真ん中に身を置く26歳の西岡が、自身の経験を交えて瑞々しく(あるいは生々しく)テニス界のリアルを明かす点にある。しかも、西岡の足跡と今大会の構造が精緻に噛み合い、選手に伝えるべき意図を紡いでいることに、セミナーを聞けば気付くはずだ。
たとえば、大会参加年齢を「16歳以下」に設定したのは、その年齢からツアー下部大会群である『フューチャーズ』に挑んで欲しいから。
「僕が初めてフューチャーズに出たのは15歳。優勝したのは17歳。個人的な意見を言うと、みんなの年齢でフューチャーズにチャレンジして欲しいのが本心です」
日本では、多くの選手がジュニア卒業後の18歳からプロの大会に出始める。だが、それでは遅いと西岡は言った。それは、「ジュニアから一般に移行した時、大人との差を痛感する」から。
「その時に、飛びぬけた体格か才能があれば突破できるけれど、日本人の体格では厳しいです」と、西岡はさらりと続ける。その言葉は、170センチの体格ながら18歳でグランドスラム本戦に出た彼の口から発せられるからこそ、圧倒的な説得力を帯びて選手たちの胸に響いただろう。
その事実は、選手たちから西岡に向けられた質問にも反映される。
「ジュニア卒業後に伸びる選手と、そうでない選手の違いは?」と尋ねたのは、大会第1シードの松岡隼。
西岡の返答は、「僕の場合は、ある程度パワーがついて戦えるようになったパターン」。加えて、今季大躍進を果たした同期のキャメロン・ノーリーを、「まじめにずっとやるべきことを続けてきた」がゆえの成功例として挙げた。
集った8名のジュニア選手を目の前に、西岡良仁は、真摯な口調で語りはじめた。
西岡が自ら企画し開催する「Yoshi’s Cup」は、国内トップの16歳以下の選手が一堂に会し、雌雄を決するジュニア大会。日本テニス界の未来を担う選手育成を理念に掲げ、大会中は西岡によるセミナーも行なわれる。
開幕前日の11日には、今大会の説明会も兼ね、ツアーの仕組みが西岡の口から選手へと伝えられた。
このセミナーの特性は、現在ツアーのど真ん中に身を置く26歳の西岡が、自身の経験を交えて瑞々しく(あるいは生々しく)テニス界のリアルを明かす点にある。しかも、西岡の足跡と今大会の構造が精緻に噛み合い、選手に伝えるべき意図を紡いでいることに、セミナーを聞けば気付くはずだ。
たとえば、大会参加年齢を「16歳以下」に設定したのは、その年齢からツアー下部大会群である『フューチャーズ』に挑んで欲しいから。
「僕が初めてフューチャーズに出たのは15歳。優勝したのは17歳。個人的な意見を言うと、みんなの年齢でフューチャーズにチャレンジして欲しいのが本心です」
日本では、多くの選手がジュニア卒業後の18歳からプロの大会に出始める。だが、それでは遅いと西岡は言った。それは、「ジュニアから一般に移行した時、大人との差を痛感する」から。
「その時に、飛びぬけた体格か才能があれば突破できるけれど、日本人の体格では厳しいです」と、西岡はさらりと続ける。その言葉は、170センチの体格ながら18歳でグランドスラム本戦に出た彼の口から発せられるからこそ、圧倒的な説得力を帯びて選手たちの胸に響いただろう。
その事実は、選手たちから西岡に向けられた質問にも反映される。
「ジュニア卒業後に伸びる選手と、そうでない選手の違いは?」と尋ねたのは、大会第1シードの松岡隼。
西岡の返答は、「僕の場合は、ある程度パワーがついて戦えるようになったパターン」。加えて、今季大躍進を果たした同期のキャメロン・ノーリーを、「まじめにずっとやるべきことを続けてきた」がゆえの成功例として挙げた。