このシリーズでは、多くのテニスの試合を見ているプロや解説者に、試合を見る時の着眼点を教えてもらう。第17回は、2017年マイアミ・オープンで4回戦に進出し、世界ランク自己最高70位にまで行った尾崎里紗プロ。注目選手は現在開催中のマイアミ・オープンで3回戦に進出した16歳の新鋭だと言う。
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尾崎から出た選手名は「リンダ・フルフリトワ」。聞き覚えのない名前だが、16歳のチェコの新鋭である。そしてもう1人、14歳の「ブレンダ・フルフリトワ」。姉妹である。
妹のブレンダは今季、14歳にしてアルゼンチンで開催されたクレーコートのITF大会W25グレードの2大会に連続優勝している。その優勝により、ランキングは1079位からジャンプアップし、現在は389位。
姉のリンダは、昨年ITFのW15の2大会に優勝し、今季はW25のタイトルも獲得して、現在は279位。ワイルドカードで出場した現在開催中のマイアミ・オープン1回戦では、ダンカ・コビニッチ(モンテネグロ/66位)に6-0、6-4で勝利し、初めてトップ100の選手から勝ち星を挙げると、2回戦では24位のエリーゼ・メルテンス(ベルギー)にも勝利し、3回戦に駒を進めた。
14歳と16歳とは思えない活躍だが、尾崎が注目しているのはプレーだ。「攻撃的なロングラリーができます。パワフルなボールを打っているのに、ミスがほとんどありません。それが、この年代でできるのはすごいことです」
日本では攻撃的なテニスをしていると、ある程度ミスをしても仕方がないと思われがちだが、世界では、攻撃的なテニスでミスをしないレベルに移行し始めているのだ。
そして、女子テニス界においての「攻撃」も変わり始めていると言う。「少し前は長身の選手が上から叩きつけるパワフルさが攻撃力でした。今は回転量が増えて、ボールの重さで攻撃しています。そういうプレーをする練習をしているから、同時にフィジカルも強化ができています」。女子テニスも、身体の使い方やコートを広く使うプレーが男子テニスに近づいてきていると言う。その最新の女子テニスを体現しているのが、フルフリトワ姉妹なのだ。
「すでにトップレベルの選手と戦えるテニスをしているので、3年以内にグランドスラムを取れるかもしれません。将来のナンバー1候補です」と、期待値はかなり高い。今からナンバー1へと駆け上がる姿を追いかけるのも面白そうだ。
取材・文●赤松恵珠子(スマッシュ編集部)
【PHOTO】全豪オープン2022で活躍した女子選手の厳選ショットを一挙公開!
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尾崎から出た選手名は「リンダ・フルフリトワ」。聞き覚えのない名前だが、16歳のチェコの新鋭である。そしてもう1人、14歳の「ブレンダ・フルフリトワ」。姉妹である。
妹のブレンダは今季、14歳にしてアルゼンチンで開催されたクレーコートのITF大会W25グレードの2大会に連続優勝している。その優勝により、ランキングは1079位からジャンプアップし、現在は389位。
姉のリンダは、昨年ITFのW15の2大会に優勝し、今季はW25のタイトルも獲得して、現在は279位。ワイルドカードで出場した現在開催中のマイアミ・オープン1回戦では、ダンカ・コビニッチ(モンテネグロ/66位)に6-0、6-4で勝利し、初めてトップ100の選手から勝ち星を挙げると、2回戦では24位のエリーゼ・メルテンス(ベルギー)にも勝利し、3回戦に駒を進めた。
14歳と16歳とは思えない活躍だが、尾崎が注目しているのはプレーだ。「攻撃的なロングラリーができます。パワフルなボールを打っているのに、ミスがほとんどありません。それが、この年代でできるのはすごいことです」
日本では攻撃的なテニスをしていると、ある程度ミスをしても仕方がないと思われがちだが、世界では、攻撃的なテニスでミスをしないレベルに移行し始めているのだ。
そして、女子テニス界においての「攻撃」も変わり始めていると言う。「少し前は長身の選手が上から叩きつけるパワフルさが攻撃力でした。今は回転量が増えて、ボールの重さで攻撃しています。そういうプレーをする練習をしているから、同時にフィジカルも強化ができています」。女子テニスも、身体の使い方やコートを広く使うプレーが男子テニスに近づいてきていると言う。その最新の女子テニスを体現しているのが、フルフリトワ姉妹なのだ。
「すでにトップレベルの選手と戦えるテニスをしているので、3年以内にグランドスラムを取れるかもしれません。将来のナンバー1候補です」と、期待値はかなり高い。今からナンバー1へと駆け上がる姿を追いかけるのも面白そうだ。
取材・文●赤松恵珠子(スマッシュ編集部)
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