ルールに則って試合を円滑に進行させるのが審判員の役割。だが、その立場を悪用して八百長やスコアの操作し、ギャンブラーへの利益供与などの違法行為を繰り返していたテニス審判員の有罪が確定した。
不正行為を犯したのはポルトガルのダニエル・ゼフェリーノ審判員。ホワイトバッジ(審判資格)を有する審判として数多くの試合に携わっていた同氏の直接的な罪状は、2020年に開催されたITF(国際テニス連盟)主催大会で電子スコアリング機器に入力したスコアを不正に操作し、その試合を扱う賭け屋が勝ちやすいようにデータを提供したというもの。
しかもその後の聞き取り調査によって、同様の行為が複数の試合で繰り返し行なわれていたことも判明した。
テニスの不正監視団体であるITIA(国際テニス・インテグリティー・エージェンシー)では事件の重大性を考慮し、現地5月10日に同審判員の終身停職処分を決定。テニス界から永久追放することを正式に発表した。
これによりゼフェリーノ氏は今後、国際的なテニス運営団体はもちろん各国の国内協会によって承認されたいかなるテニスイベントでも審判を行なうことができなくなった。
スポーツ競技の結果やプレーに対して金を賭ける「スポーツベッティング」がインターネットの普及によって世界中で拡大され、これに伴って八百長などの不正行為もスポーツ界にはびこるようになった。それはテニス界も例外ではなかった。
今回の事件以外にも5月6日には、スペインの裁判所で6名の現役選手が八百長による有罪判決が確定。2年間の出場停止と25万ドル(約3300万円)の罰金が科された。
また、ロシア出身女子選手で元世界164位のクセニア・パルキナ(キルギスタン)は、2018年と19年の試合で八百長に関わったことが発覚。ITIAでは彼女が100位台の有力選手だったことを重視し、16年間に及ぶ出場停止という厳しい処分をくだした。
パルキナの処分は2019年に遡って実施されるが、その間にテニス腐敗防止プログラムを受ければ出場停止は6年間に短縮される。とはいえ、現在32歳のパルキナが再びコートに戻れるのは38歳を迎える2029年11月29日からで、第一線への復帰は絶望視されている。
選手、そして審判までもが手を染める不正行為。その世界に足を踏み入れるのは簡単かもしれないが、それによって失うものは計り知れない。
構成●スマッシュ編集部
【PHOTO】なかなか見られないトッププロの練習やテニス教室の様子
不正行為を犯したのはポルトガルのダニエル・ゼフェリーノ審判員。ホワイトバッジ(審判資格)を有する審判として数多くの試合に携わっていた同氏の直接的な罪状は、2020年に開催されたITF(国際テニス連盟)主催大会で電子スコアリング機器に入力したスコアを不正に操作し、その試合を扱う賭け屋が勝ちやすいようにデータを提供したというもの。
しかもその後の聞き取り調査によって、同様の行為が複数の試合で繰り返し行なわれていたことも判明した。
テニスの不正監視団体であるITIA(国際テニス・インテグリティー・エージェンシー)では事件の重大性を考慮し、現地5月10日に同審判員の終身停職処分を決定。テニス界から永久追放することを正式に発表した。
これによりゼフェリーノ氏は今後、国際的なテニス運営団体はもちろん各国の国内協会によって承認されたいかなるテニスイベントでも審判を行なうことができなくなった。
スポーツ競技の結果やプレーに対して金を賭ける「スポーツベッティング」がインターネットの普及によって世界中で拡大され、これに伴って八百長などの不正行為もスポーツ界にはびこるようになった。それはテニス界も例外ではなかった。
今回の事件以外にも5月6日には、スペインの裁判所で6名の現役選手が八百長による有罪判決が確定。2年間の出場停止と25万ドル(約3300万円)の罰金が科された。
また、ロシア出身女子選手で元世界164位のクセニア・パルキナ(キルギスタン)は、2018年と19年の試合で八百長に関わったことが発覚。ITIAでは彼女が100位台の有力選手だったことを重視し、16年間に及ぶ出場停止という厳しい処分をくだした。
パルキナの処分は2019年に遡って実施されるが、その間にテニス腐敗防止プログラムを受ければ出場停止は6年間に短縮される。とはいえ、現在32歳のパルキナが再びコートに戻れるのは38歳を迎える2029年11月29日からで、第一線への復帰は絶望視されている。
選手、そして審判までもが手を染める不正行為。その世界に足を踏み入れるのは簡単かもしれないが、それによって失うものは計り知れない。
構成●スマッシュ編集部
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