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海外テニス

59度目の宿命の対決。ジョコビッチ優勢とされるなか「ここで戦える事実を楽しみたい」と語るナダルの決意<SMASH>

内田暁

2022.05.31

前哨戦から好調を維持するジョコビッチ(右)に対し、故障明けのナダル(左)は4回戦で苦戦を強いられた。果たして直接対決の行方は?(C)Getty Images

前哨戦から好調を維持するジョコビッチ(右)に対し、故障明けのナダル(左)は4回戦で苦戦を強いられた。果たして直接対決の行方は?(C)Getty Images

 全仏オープンテニス開幕の3日前――。

 ドロー抽選会が行なわれた瀟洒な洋館内に、どよめきが起こった。世界1位のノバク・ジョコビッチと、同5位のラファエル・ナダルが、順当に行けば準々決勝で当たる枠に入ったからだ。

 今さら改まって説明するまでもなく、2人の対戦の履歴は、現在の男子テニス界における最も長く、最も濃密なライバル物語だ。これまでラケットを交えた数は、58回。勝敗の内訳は、ジョコビッチの30勝28敗。

 初対戦は、2006年のここ全仏オープンで、直近の対戦も、昨年の全仏オープン。それから、1年後。両者は世界が望んだとおり、ここローランギャロスで、5月31日に59回目の対戦を迎える。

 両者が初めて対戦した、16年前――。ナダルは20歳の誕生日を迎えたばかりで、ジョコビッチも2週間ほど前に、19歳になったばかりだった。

 年齢では僅か1歳違いだが、テニス界における両者の立場には隔たりがあった時分。その前年にローランギャロスで初のグランドスラムタイトルを手にしたナダルは、ランキング2位につけ、時の絶対王者、ロジャー・フェデラーのライバルに名乗りを上げていた。

 対するジョコビッチは、期待の新鋭ではあるものの、細身で体力に不安を残す世界の63位。果たして赤土での初対戦では、ナダルが2セットを奪ったところで、ジョコビッチの棄権に終わっている。
 
 ただナダルは当時から、ジョコビッチの才能に脅威を覚えていたと、自伝の中で明かしていた。

「弱点がない。彼は将来、僕とロジャー(フェデラー)にとって脅威となる」

 それが、ナダルが10代のジョコビッチに見た未来像だ。

 ナダルの慧眼を証明するかのように、ジョコビッチは2009年に世界の3位、そして翌年には2位へと駆け上がる。

 同時にその頃から、ナダルがリードした両者の対戦成績も、徐々に均衡化していった。初対戦から2009年のマドリード・オープンまでは、ナダルが14勝4敗と圧倒。そこから今日に至るまでは、ジョコビッチ優勢の時期が続いた。

 ただ、いかにジョコビッチが直接対決やランキングで上を行こうとも、戦いの舞台がローランギャロスになれば、まったく異なる力学が働く。両者の全仏での対戦は9回で、ナダルが敗れたのは僅か2回。そのうちの1回が昨年で、もう一度は2015年の準々決勝。当時のナダルは、前年から続く手首のケガおよび盲腸の手術からの復帰に苦しんでいる最中だった。
 
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