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海外テニス

昨年の準優勝者ベレッティーニがコロナ陽性でウインブルドンを棄権「今年の夢は終わってしまった」<SMASH>

中村光佑

2022.06.29

すでにウインブルドンの会場に入って調整を進めていたベレッティーニ。まさかの棄権を余儀なくされた。(C)Getty Images

すでにウインブルドンの会場に入って調整を進めていたベレッティーニ。まさかの棄権を余儀なくされた。(C)Getty Images

 現在開催中のテニス四大大会「ウインブルドン」で優勝候補の一角に挙げられていた男子世界ランク11位のマテオ・ベレッティーニ(イタリア)が、新型コロナウイルスの感染により同大会を棄権した。

 昨年のウインブルドンでイタリア人男子選手として45年ぶりとなる四大大会での決勝進出を果たしたベレッティーニ。決勝では当時世界1位だったノバク・ジョコビッチ(セルビア/現3位)に敗れたものの、グラスコートでの強さを遺憾なく発揮したのはファンの記憶にも新しい。

 今年3月から悩まされていた右手のケガを理由に先の全仏オープンを含めたクレーシーズンの全大会を欠場したベレッティーニは、グラスコートシーズンでようやくツアーに復帰。前哨戦のシュツットガルトとクイーンズではブランク明けとは思えない安定したプレーを披露し、2週連続の優勝を果たした。それだけにファンからもウインブルドンでのグランドスラム初優勝に期待が高まっていた。

 ところがベレッティーニは日本時間6月28日に更新した自身の公式インスタグラム(@matberrettini)で「新型コロナウイルスの検査の結果、陽性と判明し、ウインブルドンを欠場することになりました」と報告した。
 
 続けて「実はここ数日にわたってインフルエンザのような症状があり、隔離されていました。症状は深刻なものではありませんが、チームメイトや大会関係者の健康と安全を守るために、今朝再び検査を受けることが重要だと判断しました」と検査までの経緯を説明。「このことをお伝えしなければならないのは本当に心苦しい。非常に残念な気持ちで言葉もありません」と無念の心境を明かした。

 それでも「今年の(ウインブルドンでの)夢は終わってしまいましたが、また強くなって戻ってきます」と元気な姿でコートに戻ってくることを誓ったベレッティーニ。最後は「いつも応援ありがとうございます」とファンへの感謝の言葉で締めくくった。

 なお男子では2017年大会で準優勝を収めた元世界3位のマリン・チリッチ(クロアチア)もPCR検査でコロナ陽性が判明し、今大会の欠場を余儀なくされた。また開幕直前にベレッティーニとセンターコートで練習を行なったラファエル・ナダル(スペイン/世界4位)は濃厚接触の疑いがあり、選手間での感染拡大へ懸念の声が広がっている。

 ちなみに今年のウインブルドンの新型コロナ感染拡大防止に関するプロトコルでは、基本的に「症状が見られた場合は自己隔離をし、関係者に連絡すること」と定められており、検査を義務付けているわけではないようだ。だが、スペインのテニス専門メディア『Punto de Break』によると大会主催側はベレッティーニの感染を受け、プロトコルを見直す意向を示しているという。

文●中村光佑

【PHOTO】ベレッティーニのバックハンドスライス、30コマの『超分解写真』
 
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