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キリオスが元恋人への暴行容疑で起訴され出廷へ。最高で懲役2年の実刑判決の可能性も<SMASH>

中村光佑

2022.07.06

コートの内外で“悪童”として鳴らすキリオスだが、暴行疑惑で現実に訴追されてしまった。裁判の先行きは読めない。(C)Getty Images

 現在開催中のテニス四大大会「ウインブルドン」で2014年大会以来8年ぶりのベスト8入りを果たした男子世界40位のニック・キリオス(オーストラリア/27歳)が、元恋人への暴行容疑で起訴され、8月に母国の首都キャンベラの裁判所へ出廷する見込みであることが明らかになった。

 当地の日刊紙『The Cambera Times』によると、今回の起訴はキリオスが2021年12月に元交際相手のキアラ・パッサーリさんに対して暴行を加えた疑いによるもので、オーストラリア首都特別地域警察(ACT Police)は「キリオスが2021年12月に発生した事件における暴行容疑に関連して、8月2日にACT判事裁判所に出廷する予定であることを確認した」との公式声明を発表している。

 また同紙は「今回の暴行容疑による裁判で、キリオス選手は最高で懲役2年の実刑判決が下される可能性がある」と報じた。

 来月の裁判でキリオスの弁護人を務めるとされるジェイソン・モフェット氏は同選手の暴行容疑について「詳しい説明は受けている」とコメント。そのうえで「申し立ての性質は深刻なものだ。彼(キリオス)も告発を認識しており、起訴されたことを非常に真剣に受け止めている」と明かした。
 
 だが欧米スポーツメディア『ESPN』によれば、豪大手法律事務所「Johannssen Legal」は7月5日に公式声明を通じて「キリオス氏の容疑はまだ定かではなく、事実として考慮されない」と主張。さらに「キリオス氏は最初に出廷するまで犯罪で起訴されたとは見なされない」とも記しており、現時点では今後どのような展開になるのかは不透明だ。

 歯に衣着せぬ物言いと破天荒な性格で「テニス界の悪童」とも称されるキリオスだが、彼の持つ独特なキャラクターは多くのファンから親しまれてきた。パッサーリさんとの破局以降は新たな恋人と仲睦まじい姿を度々SNSに投稿しており、ここ最近は本業のテニスでも安定したプレーを見せている。

 なお現地7月4日に行なわれたウインブルドン男子シングルス4回戦でブランドン・ナカシマ(アメリカ/56位)にフルセットで勝利したキリオスは、日本時間6日22時30分以降に行なわれる準々決勝でクリスチャン・ガリン(チリ/43位)と対戦する。

文●中村光佑

【PHOTO】キリオスはじめウインブルドン2022で活躍している男子選手