現地7月23日、女子テニス世界ランク1位のイガ・シフィオンテク(ポーランド)が主宰するウクライナ支援を目的としたチャリティーマッチがポーランド・クラクフで行なわれた。
先月29日に自身のSNSで「私は数か月前からウクライナのために、戦争で苦しむ人々を支援するチャリティー活動に取り組んできました。7月23日にクラクフで特別なイベントを開催します」と公表していた21歳のシフィオンテク。
彼女が発起人となった同イベントには、2008年にポーランド人女子選手として初のトップ10入りを果たした元世界2位のアグニエスカ・ラドワンスカ、祖国ウクライナを守るために現在予備軍の一員として戦場に赴いている元男子31位のセルゲイ・スタコフスキ氏も登場。現役選手では第1子妊娠によりツアーを離れているウクライナ国籍のエリーナ・スビトリーナ(42位)が参加した。
また特別ゲストとして「ウクライナサッカー界の英雄」と称されるアンドリュー・シェフチェンコ氏も招き、豪華な顔ぶれが集結。会場には10000人以上の観客が詰め掛けた。
最初に行なわれたのは1セットのミックスダブルスで、シフィオンテクはITFジュニアランキング17位、同郷のマーティン・パウェルスキ(17歳)とペアを組み、ラドワンスカ/スタコフスキと対戦。途中30本のラリーを繰り広げるなど、白熱の展開となったこの試合はシフィオンテク/パウェルスキが6-4で勝利した。
続いてはシフィオンテクとラドワンスカによる1セットのシングルス。会場が大いに盛り上がりを見せる中、何とこのビッグマッチでは18年に引退した33歳のラドワンスカが6-4で現世界女王のシフィオンテクを撃破。衝撃的な勝利を飾ったラドワンスカに、ファンからはスタンディングオベーションが贈られた。
一方、単複ともに審判を務めた妊娠中のスビトリーナは観客の一人ひとりにサインし、写真撮影にも応じて、プレーはできずとも丁寧なファンサービスでしっかりと見せ場を作った。
イベント終了後「私にとって非常に重要な問題で、戦争がこれほど近くまで来ているとは想像もしていませんでした。私はヨーロッパがとても平和だった時代に生まれました」と、改めてウクライナの惨状に心を痛めていることを訴えかけたシフィオンテク。
テニス界の現状に複雑な心境をのぞかせつつも、最後には1日も早い平和の実現へできる限りのことをしたいと力強く宣言した。
「最初はテニス界でも関心が高まり、多くの選手がウクライナ国旗の色のリボンを付けていたことに気付きました。時が経つにつれ、リボンは消えてしまいました。多くの選手が戦争についてコメントすることを望んでいません。ただ私はそれを尊重します。なぜなら誰もが自分の思うように行動するからです」
「(それでも)私のリボンは残ります。世界の人々へのリマインダーとして、事態が収束するまで自分のリボンを付け続けます」
ちなみに英スポーツメディア『Sportskeeda』によると今回のチャリティーマッチでは約40万ユーロ(5,500万円)の収益金が集まったようだ。この収益金はウクライナ支援に取り組むUnited 24、エリーナ・スビトリーナ基金、ユニセフ・ポーランドの3つの団体に寄付されるという。
文●中村光佑
【PHOTO】2度目の優勝を飾ったシフィオンテクら、全仏オープン2022で活躍した女子選手たち
先月29日に自身のSNSで「私は数か月前からウクライナのために、戦争で苦しむ人々を支援するチャリティー活動に取り組んできました。7月23日にクラクフで特別なイベントを開催します」と公表していた21歳のシフィオンテク。
彼女が発起人となった同イベントには、2008年にポーランド人女子選手として初のトップ10入りを果たした元世界2位のアグニエスカ・ラドワンスカ、祖国ウクライナを守るために現在予備軍の一員として戦場に赴いている元男子31位のセルゲイ・スタコフスキ氏も登場。現役選手では第1子妊娠によりツアーを離れているウクライナ国籍のエリーナ・スビトリーナ(42位)が参加した。
また特別ゲストとして「ウクライナサッカー界の英雄」と称されるアンドリュー・シェフチェンコ氏も招き、豪華な顔ぶれが集結。会場には10000人以上の観客が詰め掛けた。
最初に行なわれたのは1セットのミックスダブルスで、シフィオンテクはITFジュニアランキング17位、同郷のマーティン・パウェルスキ(17歳)とペアを組み、ラドワンスカ/スタコフスキと対戦。途中30本のラリーを繰り広げるなど、白熱の展開となったこの試合はシフィオンテク/パウェルスキが6-4で勝利した。
続いてはシフィオンテクとラドワンスカによる1セットのシングルス。会場が大いに盛り上がりを見せる中、何とこのビッグマッチでは18年に引退した33歳のラドワンスカが6-4で現世界女王のシフィオンテクを撃破。衝撃的な勝利を飾ったラドワンスカに、ファンからはスタンディングオベーションが贈られた。
一方、単複ともに審判を務めた妊娠中のスビトリーナは観客の一人ひとりにサインし、写真撮影にも応じて、プレーはできずとも丁寧なファンサービスでしっかりと見せ場を作った。
イベント終了後「私にとって非常に重要な問題で、戦争がこれほど近くまで来ているとは想像もしていませんでした。私はヨーロッパがとても平和だった時代に生まれました」と、改めてウクライナの惨状に心を痛めていることを訴えかけたシフィオンテク。
テニス界の現状に複雑な心境をのぞかせつつも、最後には1日も早い平和の実現へできる限りのことをしたいと力強く宣言した。
「最初はテニス界でも関心が高まり、多くの選手がウクライナ国旗の色のリボンを付けていたことに気付きました。時が経つにつれ、リボンは消えてしまいました。多くの選手が戦争についてコメントすることを望んでいません。ただ私はそれを尊重します。なぜなら誰もが自分の思うように行動するからです」
「(それでも)私のリボンは残ります。世界の人々へのリマインダーとして、事態が収束するまで自分のリボンを付け続けます」
ちなみに英スポーツメディア『Sportskeeda』によると今回のチャリティーマッチでは約40万ユーロ(5,500万円)の収益金が集まったようだ。この収益金はウクライナ支援に取り組むUnited 24、エリーナ・スビトリーナ基金、ユニセフ・ポーランドの3つの団体に寄付されるという。
文●中村光佑
【PHOTO】2度目の優勝を飾ったシフィオンテクら、全仏オープン2022で活躍した女子選手たち