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海外テニス

「引退するまで戦い続けたい」快進撃を続けた西岡良仁がキリオスに敗れ2度目のツアー優勝を逃す<SMASH>

中村光佑

2022.08.08

3度目のツアー決勝の舞台に立った西岡良仁(左)はキリオス(右)に敗退するも、今季序盤の不調を払拭できたようだ。(C)Getty Images

3度目のツアー決勝の舞台に立った西岡良仁(左)はキリオス(右)に敗退するも、今季序盤の不調を払拭できたようだ。(C)Getty Images

 男子テニスツアー「シティ・オープン」(8月1日~7日/アメリカ・ワシントンDC/ハードコート/ATP500)は現地8月7日にシングルス決勝が行なわれ、ここまで快進撃を続けてきた世界ランク96位の西岡良仁が登場。同63位のニック・キリオス(オーストラリア)に4-6、3-6のストレートで敗れ、ATP500で初の優勝とはならなかった。

 今大会初戦から持ち味の粘りと正確なストロークでそうそうたるトッププレーヤーを連破してきた西岡は準決勝でも勢いそのままに世界8位のアンドレイ・ルブレフ(ロシア)をストレートで撃破。錦織圭に次いで日本人男子2人目の快挙となるATP500での決勝進出を達成していた。

 決勝の対戦相手となった同年代のキリオスとはジュニア時代から切磋琢磨してきた仲であり、プロ転向後もツアー大会で3度顔を合わせている。ただ西岡はキリオスに0勝3敗とまだ勝ちがなく、非常に相性が悪いプレーヤーの1人だ。直近の2019年シティ・オープン3回戦でも西岡が2-6、5-7のストレートで敗戦。ちなみに同大会では後にキリオスが優勝を果たした。

 この日の決勝でも西岡が第1ゲームでいきなりブレークを許す苦しい展開に。第6ゲームでブレークバックのチャンスをつかむもこれを取り切れず、そのまま第1セットを落としてしまう。

 第2セットでも第1ゲームでブレークを献上。体力的に厳しい中で何とか食らいつくも終始安定したプレーを見せるキリオスを崩せなかった西岡は、第9ゲームで2度目のブレークを喫して力尽きた。
 
 それでも準優勝のトロフィーを掲げながらいい笑顔を見せた170センチの小さな巨人は、試合後の表彰式で勝者のキリオスを「おめでとう」と素直に祝福。

 その後、キリオスとの対戦成績を踏まえて「(ジュニア時代に)オランダで対戦したのが初めてでしたが、唯一そこで僕が勝ったのかな」とジョークを交えた西岡に、会場からは笑いが起こった。

「僕たちは14歳の頃から戦っている間柄で、ずっと知っている友人同士でもあります。そして同じ歳でもあります。ここ(今回の決勝)だけでは終わらず、引退するまで戦い続けたいと思います」。最後には親交も深いキリオスと共に、これからもツアーを盛り上げていきたいと語った。

 一方3年ぶりのシティ・オープン優勝とキャリア通算7度目のツアー優勝を飾ったキリオスも、「ヨシ(西岡の愛称)、おめでとう。最高の1週間でしたね。君は各ラウンドで素晴らしい選手との試合を戦い抜いた上でここまでやってきました」と、上位選手を倒して決勝の舞台へとたどり着いた西岡を手放しに称賛した。

 惜しくもタイトルには手が届かなかったものの、8月8日に更新される世界ランキングでは54位が確定している西岡。長らく不振にあえいでいた中で、再び大きな自信を得たのは間違いないだろう。今後の更なる活躍を期待したい。

文●中村光佑

【PHOTO】次期日本のエース⁉けがを乗り越え大躍進する西岡良仁の厳選ギャラリー!
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