プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単に叩き込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は、昨年のデビスカップで日本代表デビューした島袋将選手の2回目。ジャックナイフのポイントを語ってくれた。
* * *
通常、力が入りにくいバックハンドの高いボールを、パワフルに引っぱたけるのがジャックナイフだ。「僕は攻撃型のテニスなので、コート内に入って叩くのにジャックナイフはよく使います」と、島袋選手は得意にしている。
意識しているポイントを聞くと、準備段階で2つ挙げてくれた。テイクバックとバランスだ。
「ジャックナイフは前に入って打ちますから、テイクバックに時間をかけられません。だから、まずコンパクトに引くことが第一のポイント。次に大事なのがバランスですね。頭を倒さず、下半身も右足のつま先まで真っすぐにしてジャンプします」
ジャンプは、ボールが弾むタイミングに合わせて右足で踏み切る。そしてスイングとなるが、ここから微妙な感覚を必要とするそうだ。
「身体は跳び上がりながらも、腕は振り上げるのではなく、振り下ろす。そこがジャックナイフの難しいところです。左手で押さえ込む感覚が大切になります」
つまり身体の動きと腕の動きが別方向になるわけだ。ジャンプした勢いで、のけぞるようにアッパースイングしてしまうと、ボールの抑えが効かなくなる。左手を使ってしっかり振り下ろそう。
最後に左足に関する注意点も挙げてくれた。ジャックナイフというと、左足を強くキックするイメージを持っている人がいるかもしれないが、島袋選手は「左足はバランスを取る役割です」と否定する。
「僕の場合は蹴る意識はなく、腕が前に行った結果、左足が後ろに行きます」とのこと。バランスを崩しやすい人は気を付けてほしい。
【プロフィール】島袋 将/しまぶくろ しょう
1997年7月30日、岐阜県生まれ。183cm、78kg、右利き。早稲田大学在学中にインカレ優勝、ITFジャカルタM15優勝、四日市CHベスト4などの戦績を残し、2020年にプロ転向。21年3月のデビスカップでは初代表に選ばれ、望月慎太郎とのダブルスで初勝利を飾る。今季はITFツアーM25で2勝を挙げ、ATPランキング自己最高の343位(22年8/1付)をマーク。有沢製作所所属。
構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2021年5月号より再編集
【PHOTO】島袋将のジャックナイフ、ハイスピードカメラによる『30コマの超分解写真』
* * *
通常、力が入りにくいバックハンドの高いボールを、パワフルに引っぱたけるのがジャックナイフだ。「僕は攻撃型のテニスなので、コート内に入って叩くのにジャックナイフはよく使います」と、島袋選手は得意にしている。
意識しているポイントを聞くと、準備段階で2つ挙げてくれた。テイクバックとバランスだ。
「ジャックナイフは前に入って打ちますから、テイクバックに時間をかけられません。だから、まずコンパクトに引くことが第一のポイント。次に大事なのがバランスですね。頭を倒さず、下半身も右足のつま先まで真っすぐにしてジャンプします」
ジャンプは、ボールが弾むタイミングに合わせて右足で踏み切る。そしてスイングとなるが、ここから微妙な感覚を必要とするそうだ。
「身体は跳び上がりながらも、腕は振り上げるのではなく、振り下ろす。そこがジャックナイフの難しいところです。左手で押さえ込む感覚が大切になります」
つまり身体の動きと腕の動きが別方向になるわけだ。ジャンプした勢いで、のけぞるようにアッパースイングしてしまうと、ボールの抑えが効かなくなる。左手を使ってしっかり振り下ろそう。
最後に左足に関する注意点も挙げてくれた。ジャックナイフというと、左足を強くキックするイメージを持っている人がいるかもしれないが、島袋選手は「左足はバランスを取る役割です」と否定する。
「僕の場合は蹴る意識はなく、腕が前に行った結果、左足が後ろに行きます」とのこと。バランスを崩しやすい人は気を付けてほしい。
【プロフィール】島袋 将/しまぶくろ しょう
1997年7月30日、岐阜県生まれ。183cm、78kg、右利き。早稲田大学在学中にインカレ優勝、ITFジャカルタM15優勝、四日市CHベスト4などの戦績を残し、2020年にプロ転向。21年3月のデビスカップでは初代表に選ばれ、望月慎太郎とのダブルスで初勝利を飾る。今季はITFツアーM25で2勝を挙げ、ATPランキング自己最高の343位(22年8/1付)をマーク。有沢製作所所属。
構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2021年5月号より再編集
【PHOTO】島袋将のジャックナイフ、ハイスピードカメラによる『30コマの超分解写真』
関連記事
- デ杯代表・島袋将が得意とする回り込みフォアのダウンザライン。コツは“ボールを3球分押す”こと【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>
- 元日本代表・波形純理が回り込みフォアのリターンを伝授。こうすれば球威と精度を両立できる!【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>
- 日本代表・村松千裕がフォアのダウンザラインの秘訣を伝授。早いテンポで打つ鍵とは?【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>
- 大ブレーク中の本玉真唯がサービスのコツを伝授。大事なのはパワーよりもリズム!【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>
- 打点は前じゃなくていい!高橋悠介が両手バックでパワーを出すために意識していること【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>