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カギは左手にあり! デ杯代表の島袋将がジャックナイフの極意を伝授【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>

スマッシュ編集部

2022.08.21

軸を真っすぐに保ちながら右足で跳び上がり(1~4コマ目)、一方でラケットは左手の押さえ込みによって振り下ろす(5~7コマ目)。島袋選手はこの左手がカギだという。写真:THE DIGEST写真部

 プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単に叩き込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は、昨年のデビスカップで日本代表デビューした島袋将選手の2回目。ジャックナイフのポイントを語ってくれた。

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 通常、力が入りにくいバックハンドの高いボールを、パワフルに引っぱたけるのがジャックナイフだ。「僕は攻撃型のテニスなので、コート内に入って叩くのにジャックナイフはよく使います」と、島袋選手は得意にしている。

 意識しているポイントを聞くと、準備段階で2つ挙げてくれた。テイクバックとバランスだ。

「ジャックナイフは前に入って打ちますから、テイクバックに時間をかけられません。だから、まずコンパクトに引くことが第一のポイント。次に大事なのがバランスですね。頭を倒さず、下半身も右足のつま先まで真っすぐにしてジャンプします」

 ジャンプは、ボールが弾むタイミングに合わせて右足で踏み切る。そしてスイングとなるが、ここから微妙な感覚を必要とするそうだ。

「身体は跳び上がりながらも、腕は振り上げるのではなく、振り下ろす。そこがジャックナイフの難しいところです。左手で押さえ込む感覚が大切になります」
 
 つまり身体の動きと腕の動きが別方向になるわけだ。ジャンプした勢いで、のけぞるようにアッパースイングしてしまうと、ボールの抑えが効かなくなる。左手を使ってしっかり振り下ろそう。

 最後に左足に関する注意点も挙げてくれた。ジャックナイフというと、左足を強くキックするイメージを持っている人がいるかもしれないが、島袋選手は「左足はバランスを取る役割です」と否定する。

「僕の場合は蹴る意識はなく、腕が前に行った結果、左足が後ろに行きます」とのこと。バランスを崩しやすい人は気を付けてほしい。

【プロフィール】島袋 将/しまぶくろ しょう
1997年7月30日、岐阜県生まれ。183cm、78kg、右利き。早稲田大学在学中にインカレ優勝、ITFジャカルタM15優勝、四日市CHベスト4などの戦績を残し、2020年にプロ転向。21年3月のデビスカップでは初代表に選ばれ、望月慎太郎とのダブルスで初勝利を飾る。今季はITFツアーM25で2勝を挙げ、ATPランキング自己最高の343位(22年8/1付)をマーク。有沢製作所所属。

構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2021年5月号より再編集

【PHOTO】島袋将のジャックナイフ、ハイスピードカメラによる『30コマの超分解写真』